このエスカレーターは2列利用専用です。
某電鉄の某駅のエスカレーターを使う人たちを見ていてふと思った。
「このエスカレーターは2列利用専用です」という表示と音声案内にするのはどうだろ? と。
そのエスカレーター横の壁には「2列で立ち止まって利用してほしい」旨の表示があり、音声でも「歩かずに2列で利用してほしい」旨の案内が流れている。
それでも、エスカレーターを利用する皆さんは、左側に寄って1列になって右側を空けて乗っていく。そして空いている右側を歩いて登る、あるいは降りる人がいる。
まったく人間とは難しいものである。
「歩かずに2列で利用してほしい」とお願いしても、そも2列になってくれない。そして、「歩かないでくれ」とお願いしてもそれを聞き入れてくれない。
左側で立ち止まる人たちには、知らない人の隣に立ちたくないという気持ちがあるのかもしれない。もしくは、右側を歩いて進みたがる人の機嫌を損ねたら嫌な目に遭うかもしれないからという自己防衛の気持ちがあるのかもしれない。
右側を歩いて進む人たちは、特段にお願いを無視するつもりではなく、「先に乗っている人たちが左側に寄っていて、右が空いているのだから歩いたっていいよね」という意識で歩いている人もいるだろう。
そこでだ。
あの表示と音声案内の内容を、「このエスカレーターは2列利用専用です」とすれば、けっこうな数の人たちがそもそも2列で乗ってくれるようになるのではないか? と思ったというわけ。
「このエスカレーターは2列利用専用です」と書いてあるし、音声でも言っていたら、「知らない人の隣に立ちたくない」という人も、「2列専用」だといわれたら渋々でも従う人が出てくると思うのですよ。
そして「専用」という言葉のおかげで権威付けができるので、「ここは2列専用だから立ち止まっていていいんだ」というちょっとした安心感も生まれて、自己防衛として左側で1列になっている人のなかにも2列で乗る人も出てくると思うんだよね。
そしてそして、2列で乗っている人がまばらでもいれば、たとえ少しは歩いて進んでくる人でも、立ち止まって乗っている人の後ろにきたら多少不服でも同じように立ち止まると思うんだよね。
だって「このエスカレーターは2列利用専用です」と書いてあるし、音声でも言っているから。
その状況で「右側を空けろ!」とは主張しづらいだろうし、いかにも「立ち止まらないで進めよ」的に足音を立てて圧をかけてくるようなこともしづらいでしょ?
(「女性専用車両」という表示と案内をイメージしていただけるとわかると思う。)
最初から「2列専用」だってしておけば、結果、「2列で立ち止まって利用するエスカレーター」になっていくのでないでしょうかね。
「このエスカレーターは2列利用専用です」という表示と案内。どう?
どこかの電鉄会社で採用してみてくれないかなあ。








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