セブンイレブンの見切り処分問題。話題としては古いけど、見ていたテレビでの報道の仕方がどうも気になって……
「多くの加盟店が値引きに反対している」という主張が、セブンイレブン側のものとして示されるのだけど、具体的な反対件数がニュースでは明らかにされてなかったし。
僕に言わせれば、これは番組側の不備だ。そこは確認を取らないといけないと思う。
もし、セブンイレブン側が答えないというのなら、「セブンイレブンに問い合わせたが、明確な答えは得られなかった」とか言えばいい。
それと、値引きに反対する側の意見がその番組では何も提示されていなかった。
値引き販売に反対している加盟店オーナーさんの意見も並べて見せるのが、報道の中立公正というものではないのか。
一番ひっかかるのは、全体的に「値引きしている側に賛成。コンビニでの値引き販売を実現しようという人たちの後押しをしよう」といった雰囲気を、そのニュースに感じたこと。
なんというか、見終わったあとに、値引き販売をしたくてもできないで困っているオーナーさんだらけのような印象が残る。
値引き販売がまかり通ると困るというオーナーさんの声をなぜ拾わないんだ?
値引き販売に反対する加盟店がいる理由は想像するに次のようなものかと――
コンビニでは、24時間営業の間で、配送が何度かあるので、値引き前と値引き後の商品を並べないといけなくなる。
ちょっと待てば、値引きされるとわかると、値引き前の商品をお客さんは買い控える。
商品が売れ残ってくるので値引きする。
値引き販売をしないですむように売れ残りを減らそうと、発注を減らす。
発注が減ると、品切れを起こしやすくなる。
お客さんの感覚からすると、いつ行っても欲しいものが切れている印象が高まる。
お客さんの足が遠のく。
お客さんが減って、物が売れ残っていく。
売れ残ったら値引きする。
値引き前の商品が売れなくなってくる。
発注を減らす。
……
という循環が起こる危険性があるからだろうなと。
売れ残り→値引き→客足減→売上・利益低下→閉店という地獄行きだ。
値引き販売なんて、どこかが始めれば自分ところはしないわけにはいかなくなるだろうし。値引き販売をしてなくて、売上げと利益を確保できているオーナーさんにしてみれば、いい迷惑だ。
「値引き販売しないで売上げと利益が上がっている」と書くと、なんだか儲けばかり考えてる守銭奴のような印象だけど、お客さまへの想いを胸に、努力と汗と熱意で、見切り商品の値引き無しでぎりぎりのところで売上げと利益の向上を実現しているオーナーさんは、たくさんいるはずだ。
加盟店のオーナーさんに、値引き販売の危険性を伝えているスーパーバイザーだっているだろう。
そういう人たちにとって、値引き販売歓迎への流れが大きくなるのは、ほんとに迷惑な話だろう。
コンビニなんて、仕入れと売上げの数円の価格差の積み重ねが勝負なんだからさ。
廃棄処分の負担で困っているオーナーさんへの取材と同時に、見切り処分の値引きが広まると、頑張って確保していた収入が減ってしまうオーナーさんへの取材や、値引き販売の危険性を説明しているスーパーバイザーとかも探して取材しろよって思うんだよな。
それと、あのニュース、背景や周辺の情報を扱い過ぎて焦点がぼやけてた。
セブンイレブン側で販売価格を制限できない契約なのに、値引き販売を止めるように加盟店に圧力をかけていたというところが、ニュースの中心なのに。
「値引き販売をしたがっているコンビニのオーナーがいる」というのも、「処分品の負担はオーナー負担」というのも、「まだ飲食できるけど、処分される品がある」ということも、今回のニュースの中心ではない。
僕は、コンビニが見切り処分の商品を値引きで販売できた方がいいとも、しない方がいいとも、どちらの意見も支持しているわけじゃない。
処分品の負担で困っているオーナーさんをどうにかしてあげようという話しでも、大量の処分品が出ていることにどうこう言っているわけでもない。
ニュースの報道の仕方が気に入らないって話し。
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