Mac版PowerPointでフォントをカスタマイズするためのXMLファイルについて
S.R さん。
Mac版PowerPointにおけるフォントのカスタマイズのやり方を探すとよく見つかる Open XML で書いた指定用ファイルについて、一応まとめておきました。
私としては、うちの社内ではリンク先のやり方をお勧めします。
お勧めする理由は2つあります。
・XML を使ったやり方と比べると、誰でも理解しやすい。
・一つのファイルのなかに「英数字用フォント」と「日本語用フォント」の組み合わせを複数指定できる。
PowerPoint for Mac でフォントのカスタマイズ( XML を使わないやり方)
XML ファイルを使うやり方の利点も2つあります。
・表内の文字、テキストボックおよび図形で使う「既定のフォント」も指定できる。
・Smart Art で使うフォントも指定できる。
リンク先のやり方で指定できるのは、プレースホルダー内のフォントだけです。
表、図形、 Smart Art で使うフォントは、別途指定が必要です。
以下の
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
から
</a:fontScheme>
までコピーして、拡張子 xml のファイルとして保存してください。
その際、テキストエンコーディングは UTF-8 で保存する必要があります。
つまり、UTF-8 で保存できるエディタなりなんなりが必須です。
なお、以下では日本語用フォントは「メイリオ」に、英数字用フォントは "Times New Roman" を指定しています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<a:fontScheme xmlns:a="http://schemas.openxmlformats.org/drawingml/2006/main" name="">
<a:majorFont><a:latin typeface="Times New Roman"/><a:ea typeface="メイリオ"/><a:cs typeface=""/></a:majorFont>
<a:minorFont><a:latin typeface="Times New Roman"/><a:ea typeface="メイリオ"/><a:cs typeface=""/></a:minorFont>
<!--ここからコメント
■参考情報:PresentationML ドキュメントの構造 (Open XML SDK)
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/open-xml/structure-of-a-presentationml-document
■参考情報:MajorFont Class
https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/api/documentformat.openxml.drawing.majorfont?view=openxml-2.8.1
ea (East Asian Font)中国語や日本語など東アジアの言語
cs (Complex Script Font)アラビア語など、読み書きの方向が逆である言語
latin (Latin Font)
■このファイルについて
このファイルは、テキストエンコーディングをUTF-8で保存する。
(UTF-8で保存できるツールでないと編集できない。)
1行目の記述は必須。
1行目にある standalone="yes" は、誤解も込みでひらたくいうと、「外部参照は無く、このファイルだけで成り立っているXMLファイルである」という意味だと思っておく。
(ほんとうはそんなに単純な話ではない。)
2行目にある <a:fontScheme xmlns:a="http://schemas.openxmlformats.org/drawingml/2006/main" name=""> の記述も必須。
それに続く各行内にある a: という記述も必須。
xmlns:aの a をプリフィックス (接頭辞) という。
「"http://schemas.openxmlformats.org/drawingml/2006/main"という名前空間に属するデータ要素には a という文字をつけて区別します」ということ。
■ファイル名が「フォント」のところでの表示名になる。
ファイル名は半角英字で付ける。全角のファイル名は文字化けする。
ハイホンの左側がタイトルのフォントで、右側がコンテンツのフォントという表示にしたければ、そのようにファイル名をつける。
タイトルのフォントが Meiriyo でコンテンツのフォントは Segoe UI なら、Meiryo-SegoeUI といったように。
■タイトルプレースホルダーのフォント
<a:majorFont>から</a:majorFont>の行でタイトルプレースホルダーのフォントを指定している。
■コンテンツプレースホルダーのフォント
<a:minorFont>から></a:minorFont>の行でコンテンツプレースホルダーのフォントを指定している。
■英数字用フォント
<a:latin typeface="Times New Roman"/>のところで英数字用フォント名を指定。
この場合は、"Times New Roman"を指定している。
■全角用フォント
<a:ea typeface="メイリオ"/>のところで全角用フォント名を指定。
この場合は、"メイリオ" を指定している。
英数でも全角で入力すると、ここで指定したフォントになる。
■フォント名の表記について
フォントによっては、「ホーム」タブの「フォント」を選択する欄に表示される通りにフォント名を書かないといけない。
たとえば、「MS P明朝」はその通りに書いていないとフォント指定が効かない。
("MS P明朝"、"msp明朝" などの書き方ではダメ。)
<a:cs typeface=""/>の記述は、フォントの指定をしていなくても残しておく。
(アラビア語など、読み書きの方向が逆である言語用のフォントを指定するための記述)
削除するとこのファイル自体が効かなくなるので、何も書いてなくてもそのまま残しておくことが必要。
このファイルを書き換えて保存したら、「デザイン」タブで再度フォントの組み合わせを選び直す。
■このファイルの拡張子を .xml にして、次の場所に保存する。
macOS Monterey バージョン 12.5.1 の場合。
ホームフォルダー/ユーザー名/ライブラリ/Group Containers/UBF8T346G9.Office/ユーザーコンテンツ/テーマ/Theme Fonts
ただし、PowertPointの「デザイン」タブー「バリエーション」ー「フォント」のなかにあるフォントの組み合わせを、一度も使ったことがない場合は、上記のフォルダ「テーマ」のなかに「Theme Fonts」は存在しない。
「Theme Fonts」が無かったら、PowerPoint上でどれでもよいのでフォントの組み合わせを一度使う。
そうすると、フォルダ「テーマ」のなかに「Theme Fonts」が表示される。
・「ライブラリ」が表示されていない場合。
1.ホームフォルダを選択しておいて、Finderの「表示」から「表示オプションを表示」を選択
2.「ライブラリを表示」にチェックを入れて閉じる。
ここまでコメント-->
</a:fontScheme>
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