PowerPoint で、複数ある背景グラフィックスのうち特定の背景グラフィックスだけを表示する。
この記事は自分用の覚書です。
■MacBook Pro macOS Monterey
バージョン 12.4
■Microsoft 365 Apps for businessサブスクリプション
(旧称 Office 365 Business)
PowerPoint for Mac バージョン 16.63.1 (22071401)
H.K さん。
ここでは、2つある画像の片方は非表示で、もう一方は表示する例にしてあります。
「背景の書式設定」の「背景グラフィックスを表示しない」にチェックを入れると、スライドの背景にある画像が全て非表示になってしまうという話ですよね。
そうではなくて、背景にある画像のうちいくつかはそのまま表示して、他のいくつかは必要がないという場合は、以下のようにするといいかと思います。
■考え方
すでに表示されている背景グラフィックスをもとに、「これらのうち、これは表示しておいて、こっちは非表示にしたい」というように捉えると答えが見つかりづらくなると思います。
「いったん全部非表示にしてしまって、表示したいものだけは見えるようにするには……」と考えると、取っ掛かりが見えてくるかと思います。
こういうスライドがあるとします。
以下では、「タイトル」の下にある画像を「線」と呼んでいます。
図形の「正方形/長方形」を使っています。
2つの画像はスライドマスター上に配置してあります。
スライドマスターに画像を置いているので、スライドレイアウトにも同じ画像が表示されます。
(必要なスライドレイアウトを残してあとは削除してあります。)
こうなっていれば、どのスライドにも「線」と左下の「アイコン」が表示されます。
ここまでは、PowerPoint での当たり前の話です。
そのうえで、こういうスライドも作りたいわけですよね。
「線」が無くて、左下にある「アイコン」だけが見えています。
■手順
やることは4つです。
1.スライドレイアウトをコピーする。
2.背景グラフィックスを非表示にする。
3.スライドマスターから必要な画像をコピーしてくる。
4.スライドにスライドレイアウトを適用する。
1.スライドレイアウトをコピーする。
表示するのは「アイコン」だけにしたいスライドレイアウトをコピーします。
例では、「タイトルとコンテンツ」というスライドレイアウトをコピーして、「タイトルとコンテンツ(線なし)」という名前にしました。
2.背景グラフィックスを非表示にする。
「タイトルとコンテンツ(線なし)」を選んだ状態で、「背景の書式設定」の「背景グラフィックスを表示しない」にチェックを入れます。
「タイトルとコンテンツ(線なし)」上から「線」と「アイコン」が消えます。
3.スライドマスターから必要な画像をコピーしてくる。
スライドマスターから「アイコン」だけをコピーして、「「タイトルとコンテンツ(線なし)」に貼り付けます。
ただ貼り付けを実行すれば、同じ位置に貼り付けられます。
これで、「線」は表示されていなくて「アイコン」は表示されているスライドレイアウトができました。
表示されている背景グラフィックスをいったん全部非表示にしてから、必要な画像だけをスライドマスターからコピーしてくるところがミソといえばミソですね。
4.スライドレイアウトを適用する。
スライド表示に戻って、「アイコン」だけを表示したいスライドに「タイトルとコンテンツ(線なし)」を適用します。
「線」は表示されていなくて「アイコン」は表示されているスライドのできあがりです。
表示したい(非表示にしたい)背景グラフィックスが、それぞれいくつあってもやることは同じです。
- いったん背景グラフィックスを全部非表示にする。
- 表示したいものだけをコピーしてもってくる。
だけです。
■別のやり方
1.背景色と同じ色の図形を非表示にしたい画像の上に描く。
上記の例だと「線」が隠れるように「正方形/長方形」を描いて、白で塗りつぶすと「線」が見えなくなります。
背景色が一色の場合は、このやり方ができます。
今回、このやり方を選ばなかったのには理由があります。
そうやって「線」を隠すと、他の人がファイルを見たときに「白で塗りつぶした図形」を置いていることがすぐに気づきづらいと私は感じたからです。
「アイコン」がそこに置いてあれば、クリックしてみると選択できますし、それで「線」が見えなくなっているということは「背景グラフィックスを表示しないようにして、アイコンだけを貼り付けたのかな」と想像が付きやすいと感じました。
職場で作るファイルは誰のものでもありません。皆のものです。
いつ誰が見ても、少しでも理解しやすく作っておいたほうがよいと私は思います。
なお、「白で塗りつぶした図形」を置くと他の人に理解しづらいと H.K さんが感じなければ、「白で塗りつぶした図形」で「線」を隠すのも「あり」です。
それはそれで問題ないです。
2.スライドマスターをもう一つ作って、それに「アイコン」だけを配置する。
「線」を表示したくないスライドに対して、こちらのスライドレイアウトを適用してやればよいわけです。
ただ、これをすると、あとあと全スライドに一括して何かの効果を与える必要が出てきたときにちょっと面倒になると考えました。
スライドマスターが2つあるので、同じことを2回やらないといけなくなります。
先出のようにしておけば、スライドマスターは1つなので、そうした手間は増えません。
「スライドマスターを複数作ってはいけない」とか「どのやり方が一番よいか」という話ではないです。
ある結果が得られる複数のやり方を知っていて、そのときどきで「今回はどのやり方がよりよいか」を考えて選ぶことができるのが大事です。
■留意点
当たり前ですが、先出のやり方では、あとあとスライドマスター上で別の画像に変えることがあっても、画像を貼り付けたスライドレイアウトには反映されません。
そういうときは、先にある画像を削除して、もう一度スライドマスターからコピーしてくるしかないですね。
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