パワーポイントでファイルを作るときに、最低限理解しておくべき3つのこと。
この記事は自分用の覚書です。
■macOS Catalina バージョン10.15.7
■Microsoft 365 Apps for businessサブスクリプション
(旧称 Office 365 Business)
PowerPoint for mac バージョン16.43(20110804)
K.M さん。K.K さん。
パワーポイントでのファイル作成に際して、「うちの社内では最低限これだけは理解しておくべき」という基本中の基本というかの点をまとめました。
(世間一般どこでもそうだということではないです。)
さらに、ファイル作成の際の留意点やコツも載せておきます。
以下、「最低限」という話にしては長くなってしまいました。ごめんなさい。
こうした話題はネット上でたくさんの人たちが書いてくれています。
もっとわかりやすいものがあったら、私にも教えてください。
それと、私が書いていることを鵜呑みにしないでください。
検証はしていますが、間違いはいっさいないとは断言できません。
間違っているところに気づいたら教えてください。
なお、初期状態のパワーポイントで「新しいプレゼンテーション」から始めていることを前提としています。
まず「社内でのファイル作成時に最低限これだけは理解しておくべき」点は次の3つです。
作成時の留意点やコツは以下のようです。
- ファイルの「プロパティ」に注意する。
- ファイルサイズを抑えるには、画像は「挿入」する。
- 関係性を意識して操作する。
- 「スライドマスター」の選択には、ショートカットキーを使うのがお勧め。
- フッターにフッターを入力してはいけないという話
- 行間は行間ではないという話
- 「リセット」は「白紙にする」ことではない。
- プレースホルダーを追加した場合は、レイアウトを適用する。
- スライドレイアウトが使われているかどうかを確認する。
1.スライドマスターとスライドレイアウトの役割
- スライドマスター
すべてのスライドに一括して同じ効果を与える。 - スライドレイアウト
そのスライドレイアウトを使っているスライドだけに一括して同じ効果を与える。
「すべてのスライドにロゴを表示する」とか「すべてのスライドの背景を同じにする」、「フォントを全スライドで同じにする」など、とにかく全部(1枚でも100枚でも)のスライドに一括で同じことを適用する場合には、スライドマスターを使います。
「同じスライドレイアウトを使っている3枚目と8枚目のスライドだけに、同じ画像を表示する」など、あるスライドレイアウトを使っているスライドだけを対象にして一括で同じことを適用する場合は、スライドレイアウトを使います。
「表示」タブの「スライドマスター」アイコンをクリックして画面が変わると、左側にあるサムネイルのなかで一番上にある大きめのサムネイルが「スライドマスター」です。
それより下にあるのが、全部スライドレイアウトです。
2.スライドマスター、スライドレイアウト、スライドの関係性
スライドマスターに効果を与えると、全スライドに同じ効果を与えることができるという関係をもう少し細かく表すと、次のようです。
スライドマスターに与えた効果が、
↓
スライドレイアウトに反映される。
その効果が、
↓
スライドに反映される。
これが、スライドマスター、スライドレイアウト、スライドの基本的な関係になります。
スライドマスターを最上位の存在として、その配下にあるスライドレイアウト、さらに下にいるスライドは上位からの指示に従うというイメージでしょうか。
実は、この関係には強制力がありません。
スライドマスターを無視してスライドレイアウトの設定を変えることができます。
そして、スライドマスターもスライドレイアウトも無視してスライドの設定を変えることもできます。
フォントの種類や大きさ、色、段落や行間、それらの前後の空きなど、その他さまざまな設定ができますが、ここではそれらをまとめて "要素" と呼んでみます。
上位存在の指示を無視して変えた "要素" については、以後、上位存在がそれを変えても連動して変わらなくなります。
ですが、変えていない要素については連動して変わります。
このあたりは慣れないとちょっとややこしいです。
手元でやってみたほうがわかりよいと思います。
たとえば、タイトルの「色」という要素をスライドレイアウト側で変えたとすると、タイトルの色についてはスライドマスターの指示が効かなくなり、スライドレイアウトとスライド間で関係性が維持されているだけになります。
(スライドマスター上で変えても変わらないが、スライドレイアウト側で変えるとスライド側も変わる状態になる。)
次に、スライド側でタイトルの「色」を変えたとすると、スライドマスターとスライドレイアウト側でいくら変えても、そのスライドについてはタイトルの色はもう変わりません。
関係性の一番下にあたるスライド側で変えたので、タイトルの色については上位との関係性が完全に消えているからです。
また、上記のどの場合でも「色」以外の要素については変えていないので、それらについてはスライドマスターからの指示に従う関係性は残っています。
(タイトルのフォントの種類やポイント数、位置など。)
ところで、スライドマスターでタイトルのポイント数を変えると、「あれ?」と思うことがあるでしょうから一応ふれておきます。
「タイトルスライドレイアウト」と「セクション見出しレイアウト」のタイトル部分はポイント数が変わらないままだと気づくかと思います。
これはまさしく上記でふれた状態になっているということです。
(「タイトルスライドレイアウト」と「セクション見出しレイアウト」でタイトル部分のポイント数を変えたので、スライドマスターのタイトル部分のポイント数を変えても連動しない。)
書籍でいうところの「表紙」と「章扉」のようなものですから、その2つでだけタイトル部分を目立たせるために文字を少し大きくしたのでしょう。
スライドマスターでそれをやると、すべてのスライドでタイトルの文字が大きくなってしまいます。
また、上位を無視できるのはタイトル部分に限ったことではないです。
下図では、スライドマスターに小さな画像を挿入して右上に置き、背景色を付けていますが、タイトルスライドとセクション見出しのスライドレイアウトでは、それを「なし」にする設定をしてみました。
スライドマスターの設定が強制的であれば、こんなことはできません。
なお、スライドマスターでタイトルに付けた「色」とは異なる色をスライドレイアウトやスライド側のタイトルで使ったあと、同じ色を付け直しても、関係性は復活しません。異なる色をつけた時点で関係性が途切れているからです。
(「色」に限ったことではありません。位置や大きさその他の要素でも「同じ設定にしても」連動する関係性は復活しません。)
3.プレースホルダーとテキストボックスの違い
スライドマスター・スライドレイアウト・スライド上に最初からあって、文字や画像、動画、グラフなどを入れることができる四角形の領域が、「プレースホルダー」です。
- テキストボックスはグループ化できますが、プレースホルダーはできません。
これは仕様です。 - プレースホルダーの中に書いた文字列は、アウトラインとして表示されます。
テキストボックスでは表示されません。
より重要なのは後者の違いです。
アウトラインとして表示されないということは、論理構造を視覚的に把握できないということです。
同時にそれは、スライドマスターやスライドレイアウトの設定が連動されないということでもあります。
つまり、
- 論理構造を目で見て把握できるようにしておきたい。
- スライドマスターやスライドレイアウトでの設定が連動されるようにしておきたい。
のいずれか、あるいは両方なら、プレースホルダー一択です。
テキストボックスを使ってはいけません。
どちらも不要なら、テキストボックスを使うことができます。
テキストボックスを使ってはいけないということではないです。
大事なのは、意識して使うことです。
「これをテキストボックスの中に書くと、アウトラインとして見えないし、スライドマスターやスライドレイアウトを使って一括して何かを指定できる対象ではなくなる」と。
それでよければ、テキストボックスを使うことに何も問題はありません。
なお、スライド上でプレースホルダーをコピーしても、テキストボックスと同じでアウトラインに表示されませんし、スライドマスターを変えてもスライドレイアウトを変えても連動しません。
3つのコンテンツプレースホルダーを作る例を挙げてみます。
「2つのコンテンツ」レイアウトがあるのでそれを使います。
左右がわかるように「左」と「右」という文字を入力して、「右」をコピーします。
(3つ並べるので、プレースホルダーの幅は縮めてあります。)
アウトライン表示にすると、「左」「右」「右」という表示になりそうですが、なりません。
「左」と「右」という2つの表示になります。
真ん中の「右」を「中央」に変えてみます。
アウトライン表示が「左」と「中央」になって、複製である「右」が表示されていないことがわかります。
スライド上でプレースホルダーをコピーしても、プレースホルダーとして扱われない(連動しない)ということです。
「スライドマスターで設定しているのに、スライド上で何も変わらない文字がある」といった現象は、「スライド上でプレースホルダーをコピーして増やした」からですね。
ということで、プレースホルダーのコピーは、スライドレイアウト上で行ってこそ意味があります。
(コピーや「プレースホルダーの挿入」でプレースホルダーを追加することには、関係性についての例外があります。あとでふれます。)
また、自分なりのスライドレイアウトを作ることもできます。
複数のスライドで同じ作り方をするとわかっているなら、それ用のスライドレイアウトを作っておくほうが効率がよいです。
「そうしなければならない」ということではありませんが、デザイン部分の作り込みとプレゼンテーションの内容の作り込みを別にすることで、それぞれに集中して取り組める利点があります。
スライドを作りながらデザインを同時に作っていくことが社内では多いでしょう。
ですが、書体やポイント数の統一、画像の配置・大きさ、タイトルやコンテンツの位置、行間や段落間の調整、色による強調などデザイン部分の作り込みと、内容の作り込みを分けて考えることができるのが、パワーポイントの真骨頂だろうと私は思っています。
スライドレイアウトを作っておけば、同じファイルのなかで同じレイアウトのスライドを複数つくるための手間が省けます。
単に似たスライドをコピーしただけなら、スライド上にある不要なテキストや画像を消して、必要な設定をしていかないといけません。
複数のスライドについて、「ちょっと変える必要がでてきた」という場合も、スライドレイアウトを作ってあれば簡単です。
画像や文字の配置・色・ポイント数・枠線などなど、変更が起こったその都度地道に変えていくのも悪くはないですが、スライド枚数が多いと嫌になります。
スライドレイアウトがあれば、該当する要素を変えるだけで、そのスライドレイアウトを使っているすべてのスライドを一括して変えられます。
デザインを先に作らなければいけないということでもないです。プレゼンテーションの骨子を先に練っておいて、あとでデザインを考えることもできます。
いずれにしても、デザインの作成と内容の作成は同時ではなく別に考えるやり方は、知っておいて損は無いと思います。
ちょっと付け加えておくと、スライドレイアウトを作るためにはプレースホルダーを作ることになりますが、それは「既存のプレースホルダーの位置や大きさを変える」ことと同じ意味をもちます。
つまり、プレースホルダーを作った時点で、その位置と大きさという "要素" については、スライドマスターの指示が効かなくなるということです。
これは仕方がないですね。プレースホルダーを必要な位置や大きさに整えるわけですから。
その時点で、「最低でも位置と大きさについては、スライドマスターとは連動しないようにします」と宣言したようなものです。
留意点やコツ
上記 1. から 3. の理解が、社内でパワーポイントのファイルを作る際に最低限必要であると私が考えるものです。
それらを踏まえたうえで、他にもファイル作成時の留意点やコツについて次にふれていきます。
■ファイルの「プロパティ」に注意する。
一度お伝えしたことですが、大事なことなので念のために。
クライアント名や個人名の漏洩に気をつけてください。
新規作成のプレゼンテーションを保存すると、1枚目のスライドの「タイトル」に入れた文字列がファイルの「プロパティ」の「概要」に入ります。他にも「作成者」の氏名も入ります。
「タイトル」に「A社様ご提案書」などと入力してあると、それがそのまま入ります。
それをA社とのやり取りに使っている分には問題ありません。
しかし、デザインや書いてある内容を流用しようとして、ファイル名を変更して他のクライアント用に使うと、「プロパティ」にA社の社名が入ったままになっています。
クライアント名が漏洩します。
作成者(パワーポイントのユーザー名)も。
「プロパティ」の「概要」の欄は、何かしら入っていれば上書きされることはありません。
ファイルを作るときは、あらかじめ問題がない文字列を入れておくとよいでしょう。
また、ファイルを外部に渡すときは、プロパティに漏洩してはいけない情報が入っていないかを確認してください。
■ファイルサイズを抑えるには、画像は「挿入」する。
とはいっても、画像のファイルサイズがそもそも大きいと、挿入してもそれなりのファイルサイズになります。
ファイルサイズを小さくする手間をかけていないと、挿入の意味が薄れます。
それでも、コピー貼り付けより挿入のほうがファイルサイズを抑えることができます。
手元にある 7.5MB の画像で試してみました。
コピー貼り付けした場合と挿入した場合のファイルサイズは以下のようになりました。
- コピー貼り付け
140MB - 挿入
7.6MB
ウソみたいに違いますよね。
7.5MB あるどんな画像でもコピー貼り付けするといつも 140MB になるわけではないですが、挿入よりも軽くなることはないです。
画像のコピー貼り付けはファイルサイズが増える要因の一つですが、コピー貼り付けをしてはいけないということではないです。
コピー貼り付けするほうが手っ取り早いです。
忙しいときは、そうするしかない場合もあります。
ここでも大事なのは意識して選択することです。
「手間がかかるけど、ファイルサイズを抑えることを重視して挿入しよう」とか、「いまは画像に手間をかける時間がないから、コピー貼り付けで乗り切ろう。とりあえず、ファイルサイズが増えるのは仕方がないな」とか。
なお、軽くした画像にあとから簡単に差し替えることができます。
画像の上にカーソルをもっていって、二本指でパッドをタップすると表示されるメニューから「画像の変更」を選択してください。
この方法で、元の画像に施した効果をそのまま引き継いで差し替えできます。
(位置や大きさ、重なり順、影、傾き、アニメーションなど。)
■関係性を意識して操作する。
くどいですが、これも大事なことなので。
スライドの作成に集中していればいるほど、「こういう見た目を作ろう」といった想いに意識を取られすぎて、「スライドマスター→スライドレイアウト→スライド」の関係を忘れてしまいがちです。
スライド上で、うっかりやりたい設定をしてしまいます。
そうすると、設定を変えた要素についてはスライドマスター 、スライドレイアウトと連動しなくなります。
「スライドマスター→スライドレイアウト→スライド」の関係をしっかり意識してスライドを作ってください。
スライド上で何かをやるときはまず考えてください。
「そのスライドでは、その要素について連動する関係がなくなってよいか」を。
それでよいなら、そのまま進めて問題ないです。
そうではなかったら、スライドマスターかスライドレイアウト側でやることです。
・「全てのスライドを同じにする」なら、スライドマスターを使う。
・「そのレイアウトを使っている全てのスライドを同じにする」ならスライドレイアウトを使う。
です。
あるいは、それ用に新たにスライドレイアウトを作ります。
(スライドレイアウトの作成についての留意点は心に留めておいてください。新しく作るということは、スライドレイアウト上にある各要素がスライドマスターの指示から外れていきます。これは仕方がないことです。)
スライド上でやってよいか(スライドレイアウトと連動する関係を失ってよいか、新しいスライドレイアウトを作った方がよいか)を考えるべきときの例を、いくつか挙げておきます。
スライドを作っているときに、深く考えないでついやりがちなことばかりです。
「やってはいけないもの」ではないです。誤解がないように付け加えておきます。
「スライドレイアウトと連動する関係を、そのスライドのその要素については失ってよい」なら、やってください。
・スライド上でやってよいかを考えるべきときの例
- 箇条書きの行頭文字を変える。
- プレースホルダーの大きさや位置を変える。
- 文字のポイント数を変える。
- 段落間や行間を変える。
- 色を付けたり、別の色に変える。
- 「はみ出す場合だけ自動調整する」のチェックを外す。
- 画像の位置や大きさ、傾きなどを変える。etc.
「画像の位置や大きさ、傾きの変更」については、スライドレイアウトとの連動を常に意識しておかないといけないものではないですが、「同じ置や大きさ、傾きなど」を設定する頻度が高ければ、専用のスライドレイアウトの作成を考えるときがきたのかもしれません。
「はみ出す場合だけ自動調整する」については、ここまでで一度もふれていなかったのでふれておきます。
コンテンツプレースホルダーを描くと、そこにはすでにチェックが入っています。それが標準というわけです。
ということは、スライド側でそのチェックを外すと、そこについてはスライドレイアウトと連動する関係が無くなるということです。
「タイトルとコンテンツ」レイアウトを使って、手元でやってみてください。
スライドのコンテンツプレースホルダーに箇条書きを作っていってプレースホルダーからはみ出る量になった瞬間、文字のポイント数が落ちて、それに合わせて行間も小さくなっています。
(文字を入力する前の「段落」の「行間」の値と自動調整された後の「行間」の値を見比べてみてください。)
そうやってコンテンツプレースホルダーの枠内に文字が収まるようになります。普段通りですね。
このとき「自動調整」というのは、単に「文字と行間を変えてプレースホルダー内に収める」ことをやっているのではありません。
「(スライドレイアウトとの関係性は維持しておいて)プレースホルダー内に収める」ことをやっています。
スライド上で文字が小さくなった状態で、スライドレイアウトでコンテンツプレースホルダーの1行目を確認してください。
標準の「28」ポイントのままです。
違いがわかりやすいように、その大きさを「9」ポイントとかあり得ないぐらいに小さくしてみてください。
このときスライドを見ると、連動して「9」ポイントになっています。連動する関係はなくなっていないということです。
手動でポイント数を小さくしたのではなくて、標準の設定に従って自動的に小さくなったからです。
では、スライドレイアウトに戻って、今度は「72」とか思い切って大きくしてからスライドに戻って見てください。
スライドのコンテンツプレースホルダーでは、文字の大きさが「72」にはなっていません。
これは「連動していない」のではないです。
そもそもコンテンツプレースホルダーからはみ出るような文字量です。
それを「72」ポイントにすると内側に収まるはずがないので、ポイント数を "自動的に" 小さくして収めてくれています。
スライド上の文字列を、数文字残してあとは削除してみてください。
残した数文字が「72」ポイントになって、連動していることがわかります。
「はみ出す場合だけ自動調整する」が標準ですから。
また、スライドレイアウトで行間の値を変えても同じです。スライドの行間が連動して変わります。
スライド上で手動で行間を変えたのではなく、自動調整で変わったので関係性は途切れていないからです。
ということで、スライド側でポイント数、行間を手動で変えてそのまま固定しておくべき具体的な理由があれば、「自動調整なし」にチェックを入れてください。
「"自動調整なし" にすると、そのスライドは文字の大きさと行間についてスライドレイアウトの指示に従わなくなる」という意識で、"わかってやっている" ことが大事です。
こうした意識の負担をなるべく抑えたければ、先にふれたデザイン部分と内容の作成を分けることです。
基本になるデザイン、レイアウトを作り込んでおけば、内容の作成に集中しやすくなります。
■「スライドマスター」の選択には、ショートカットキーを使うのがお勧め。
「表示」タブにある「スライドマスター」のアイコンはクリックしない方が安全です。
というのは、「表示タブ」の「スライドマスター」をアイコンをクリックすると、「そのときに見ているスライドのスライドレイアウトを選択」した状態になるからです。
だから、「すべてのスライドに同じ効果を与える」には、一番上にあるスライドマスターを選び直さなといけません。
「すべてのスライドに同じ効果を与えたい」と思って「スライドマスター」アイコンをクリックするのですから、それでスライドマスターを選んでいると思い込んでも仕方がないです。
だから、そこですぐに設定を始めてしまうんですよね。
ですが、それではスライドレイアウトをさわっているだけなので、すべてのスライドに同じ効果を一括で与えることはできません。
「スライドマスターで書式を変えたり、画像を置いたりしたのに、スライドに反映されない」とかいうことがありますが、このことと先出の強制力がない件が主な原因だと思います。
でも、わかっていても、「スライドマスター」アイコンをクリックした直後、スライドレイアウトが選ばれている状態でうっかり設定をしまうんですよね。
だって、「すべてのスライドに同じ効果を与えよう」と思って「スライドマスター」アイコンをクリックしているのですから。
「スライドマスターのアイコンをクリックしたら、スライドマスターを選び直さないといけない」なんて、ややこしい話ですが、文句を言ってもしょうがないです。そういうことになっているので。
では、どうすれば「うっかり」を防げるかというと、私としては「スライドマスターを選択するショートカットキー」を使うことをお勧めします。
「option + command を押しながら、数字 1 を二回押す」で、スライドマスターを選択できます。
(数字 1 を一回押すとスライドレイアウトの選択)
あるいは、「shift キーを押しながら "標準" アイコンをダブルクリック」でもスライドマスターを選択できます。
「スライドマスターのアイコンはもう使わない」という気持ちでいるぐらいのほうが、うっかり事故が少なくてよいと思います。
なお、command + 1 でスライド側に表示を戻せます。
スライドマスターを直に選択するショートカットを使えば、"すべてのスライドに同じ効果を与える" 設定をすぐに始められます。
■フッターにフッターを入力してはいけないという話
これもややこしい話ですが。
大元であるスライドマスターで話してみましょう。
下部中央に「フッター」と書かれた四角形のオブジェクトがあります。
(この部分の表示・非表示は、「スライドマスター」タブの「フッター」のチェックで行えます。チェックを外すと、左右にある「日付」と「スライド番号」もいっしょに非表示になります。なお、Windows版パワーポイントでは、スライドマスターではここのチェックがグレーになっていてさわれません。)
「フッター」と書いてあるので、その四角形のなかにフッターとして表示したい文字列を入力しても、スライドレイアウトにもスライドにも表示されません。
これが、フッターにはフッターを入力してはいけないという話です。
この「フッター」と書かれた四角形のオブジェクトに直に文字を入力してもどこにも表示されません。
理由はわかりません。
やってみればわかります。そういうふるまいをするのでそうなっているのでしょう。
さて、フッターを入力するには、「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」から「フッター」にチェックを入れて、その下の欄に文字を入力したら「すべてに適用」をクリックします。
この欄は optionキーを押しながら Enterキーを押すことで欄内で改行して入力できるようになります。
一度入力したあとでフッターを改行したいときも、「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」から、この欄で改行してすべてに適用してください。
(欄内で改行する機能は、Windows版パワーポイントには無いようです。)
社内で「スライドマスターでフッターを入れているのに表示されない」というときには、間違いなく上の操作をしていました。
(「フッター」というオブジェクトのなかに直に文字を入力してしまっていた。)
Windows版パワーポイントでフッターを改行する。
クライアントさんとの互換性を重視して、Windows版パワーポイントで作業することもあるかと思います。
Windows版パワーポイントでフッターを改行する手順も載せておきます。
手元にある Windows PC でやってみましたが、手順が違っていたり、もっと少ない手順があったら教えてください。
・ Windows 10 Pro バージョン1909 + PowerPoint( Microsoft365 サブスクリプション バージョン2010)
PowerPoint for mac も同じことができます。
- 「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」から「フッター」にチェックを入れて、その下の欄に文字を入力したら「すべてに適用」をクリック。
このときは、スライド側で行っても、スライドマスターを選択してから行ってもかまいません。 - スライドマスターを選択して、下部中央にある「フッター」のなかで改行する。
Enterキーあるいは Shift + Enter かはその都度判断してください。 - スライドレイアウトを選択して、「スライドマスター」タブの「マスターレイアウト」グループにある「フッター」のチェックを外して、すぐに入れる。
これで、スライドレイアウト上に「改行されたフッター」が表示されます。
スライドレイアウトごとに行います。
すべてのスライドレイアウトを選択してやってみましたが、一括での設定は効きませんでした。 - スライド表示に戻って、スライドサムネイルペインで全てのスライドを選択しておく。
- 「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」から「フッター」のチェックを外して、「適用」をクリック。
いったんフッターが消えます。「すべてに適用」ではありません。気をつけてください。 - もう一度、「挿入」タブの「ヘッダーとフッター」から、今度は「フッター」にチェックを入れて「適用」をクリック。
これで、全てのスライドに改行されたフッターが表示されます。
改行したフッターに文字を追加するときもやり方は同じです。上記の 2. から始めてください。
■行間は行間ではないという話
もう一つややこしい話です。
段落の設定をするときの「行間」とはどこからどこまでかという話です。
いわゆる行間は「上の行の文字の一番下から下の行の文字の一番上まで」ですよね。
パワーポイントでいう「行間」は、我々が思う行間とは違います。
フォントの周囲には少し余白があります。
(下図ではフォントがもつ余白がわかりやすいように、ポイント数を上げています。)
パワーポイントでいう「行間」は、その余白を含みます。
「上の行のフォントの余白の下から次の行のフォントの余白の下まで」が、パワーポイントでいう行間です。
(フォントの種類によって余白の幅は変わります。 ちなみに、Word の行間も同じです。)
ネット上では、「実際に設定しているのは "行の高さ" です」といった説明をしている場合もあります。
なお、段落の設定の「行間」のところで、「二重線」と書いてあるのは表記の間違いです。
正しくは「2行」です。
■「リセット」は「白紙にする」ことではない。
「リセット」と聞くと、「すべてを無かったことにする・白紙の状態に戻す」というイメージがありますよね。
そういうイメージでいると、「リセット」の使い方に戸惑うかと思います。
「ホーム」タブの「リセット」をクリックすると、「スライドレイアウトに合わせて、スライドのプレースホルダの位置とサイズ、プレースホルダーの書式の設定を戻す」ことになります。
スライドマスターではなく、スライドレイアウトに合わせます。
また、「プレースホルダーの書式の設定」というのは、プレースホルダー内の文字列の書式のことです。
それをスライドレイアウトに合わせるだけなので、スライド上でプレースホルダー自体に枠線を付けたり影を付けたりしていると、それはそのまま残ります。
しかも、「スライドのプレースホルダの位置、サイズ、書式」をスライドレイアウトに合わせるので、たとえば、スライドレイアウトとは異なる背景色をスライドで使っているときに「リセット」をクリックしてもその背景色はスライドレイアウトと同じになりません。
背景色は「スライドのプレースホルダの位置、サイズ、書式」には含まれていないからです。
「スライドをリセットしたのに白紙にならない」と戸惑った経験が私にはあります。
それは、「リセット」が最初から「白紙の状態に戻す機能」ではないからだというわけですね。
スライドレイアウトとスライドの関連性が途切れているとき、関連性を元に戻したいときは「リセット」を使うのはよいのですが、それでも完全には同じにならないということです。
なお、スライドの背景については、「背景の書式設定」の「背景のリセット」を使います。
それで、スライドレイアウトとスライドの背景が連動する関係が復活します。
■プレースホルダーを追加した場合は、レイアウトを適用する。
先に挙げたプレースホルダーを追加する際の例外についてです。
プレースホルダーを「追加」した場合はスライドに反映されません。
その場合は、反映させたいスライドを選択して、「ホーム」タブの「レイアウト」から該当するレイアウトを選んで適用させます。
次は、「タイトルのみ」レイアウトに「コンテンツプレースホルダー」と「図プレースホルダー」を追加して、それからスライドに適用する流れです。
・「タイトルのみ」レイアウトを選んでいます。
「タイトル」スライドレイアウト上に、コンテンツプレースホルダーと図プレースホルダーを追加してみます。
・スライドレイアウト上で、コンテンツプレースホルダーと図プレースホルダーを作りました。
(「スライドマスター」タブの「プレースホルダーの挿入」)
スライドレイアウトを作ったら、わかりやすい名前を付けておくとよいです。
次図では「タイトルのみ」レイアウトであることがわかるように、わざと名前は変えていません。
・「タイトルのみ」レイアウトのスライドが選択されていることを確認して、「ホーム」タブの「レイアウト」から適用したいレイアウトを選びます。
スライドレイアウトに追加したプレースホルダーが、スライドに表示されます。
■スライドレイアウトが使われているかどうかを確認する。
不要なスライドレイアウトは削除して、わかりやすく整理する必要が出てくるときがあります。
そいうときに、あるスライドレイアウトがスライド側で使われているかどうかを簡単に確認できます。
スライドレイアウトの上にカーソルをもっていって、少し待つとその旨が表示されます。
使用されているスライドレイアウトは削除できません。これは仕様です。
使用されていないスライドレイアウトは削除することができます。
長くなって本当にすみません。
職場では、誰かが作ったファイルを他の誰かが流用する。あるいは、次工程を担う誰かに渡すといったことが普通にあります。
そうやって誰かが作ってくれたファイルを自分が使うことにもなります。そんなサイクルのなかで、自分だけでなく他の人も扱いやすいファイルを作っていくことは重要なことでしょう。
互いの仕事が互いに影響し合っています。
私たち一人ひとりがやることが全てつながっているのです。
パワーポイントだけのことではありません。
仕事で使うソフトウェアでのファイルの作り方ついて理解を深めることは、職場で自分も他者も幸せでいられる一つの要因になると私は信じています。
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