Excel2016 で、あるセルの内容によって別のセルに色を付ける。
この記事は自分用の覚書です。
(Windows 10 Pro 64ビット + Excel2016 Office365 Business サブスクリプション バージョン1808(ビルド10730.20102)
H.M さん。
Excel2016 で、あるセルの内容によって別のセルに色を付けるやり方です。
ココログのアクセス解析を見ると、この類の情報を求めてうちのブログがぽろぽろと見られています。
「条件付き書式 別のセル」などのキーワードの組み合わせで。
そう思いながら、あらためて自分のブログを見返してみると、Excel2016 で「あるセルの内容によって別のセルに色を付ける」については書いてないのでまとめてみました。
といっても、Excel2016 になっても特別なことはなくて、旧バージョンと同じなんですけどね。条件付き書式というものです。
↓こういうことをしようというわけで……。
C列が「合格」ならA列のセルに色を付けています。
条件付き書式を設定する。
画像の場合は次のような手順になります。
1. 条件付き書式を設定したい範囲――図では A2 から A5 まで――を選択
2. 「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選択
3. 「ルールの種類を選択してください」」の欄で、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
4.「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の欄に以下の数式を入力
= $C2="合格"
5. 「書式」ボタンをクリック
6. 「セルの書式設定」の画面が表示されるので、「塗りつぶし」タブをクリック
7. 任意の背景色を選択して、OK をクリック
これで、C列の値が「合格」の場合、A列のセルが選択した色で塗りつぶされます。
なお、行を塗りつぶすには、手順1. で A2 から C5 までを選択しておきます。
そうすると、C列のセルが「合格」のときには、その行に色が付きます。
これまでと同じことを書いても面白くないですし、せっかくなのでちょっと違うことも書いてみます。
以下、いろいろと――。
条件付き書式を設定する前に明らかにすること。
4つあります。
- 目的
何のためにつくるファイルなのか。 - 条件付き書式を適用する場所
どのセル、どの範囲に適用するのか。 - 条件は何か。
セルの値が50以上である――など。 - どんな書式にするのか。
セルを赤く塗りつぶす――とか。
「そんなの当たり前でしょう」という気がしますよね。私もそう思います。でも、これがなかなか……。
私が経験してきたなかでは、特に1番の「目的」がはっきりしていないことってあるんですよね。
たとえば、「セルの値が5未満だったら、その値を赤色の太字にしたい」って相談を受けたことがあります。
何に使うのかを尋ねたら、そうやって、5未満の値を目立たせた資料を作って、社内のミーティングのときに見やすくしたいという。
そういうことなら、文字を赤くするよりはセルを塗りつぶすか、網かけしたほうがよいと話したらそうすることになりました。
赤い文字は画面では目立ちますが、モノクロ印刷したら区別がつきません。
セルに色を付けておけば、モノクロ印刷のときでもそこがわかります。
「ミーティングのときに見やすくしたい」と思ってはいても、それが目的としてしっかり意識されていなかったんですね。
目的がはっきりしたら、設定するべき書式が変更になったわけです。
何のためにつくるファイルなのかをはっきりさせておけば、そのために何をどうすればよいのかを考えやすくなります。
行は相対参照にする。
上の図の場合は――ということです。
手順1.で セル A2 から A5 までを選択していますから、行のほうは相対参照にしておかないと、行の指定がずれていきません。
= $C$2="合格"
にすると、A2 から A5 までのセルの塗りつぶしを決める条件は、セル C2 の値のみにしたことになります。
もし、C2 が「合格」だったら、C列の他のセルに関係なく、A2 から A5 の全部が色付けされてしまいます。
列と行で指定をずらしていかなければいけないほうは、相対参照にする――です。
絶対参照と相対参照の切り替え
F4 キーを使います。
「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の欄を入力する際に、欄内をクリックしたあとで、セル C2 をクリックすると、C2 が絶対参照になります。
=$C$2
と入ります。
あるいは、条件のもとになるセルや範囲が、別のシートにあったりすると、手入力するよりはそのシートを開いてそこを選択したほうが手っ取り早いですよね。その場合もセル参照が絶対参照になります。
セル参照が必要な参照の状態になるまで F4 キーを押してください。
押すたびに、=$C$2 → =C$2 → =$C2 → =C2 → =$C$2 とセル参照が変わっていきます。
基本的なことですが、絶対参照を意味する「$」は、「列を参照する英字」と「行を参照する数字」の左側に添えます。
(列か行のどちらかを絶対参照にする場合は、その左側にだけ。)
既定では、Excel は 「A1 参照スタイル」と呼ばれるセル参照を使います。
(出典:マイクロソフトのサイトにある「Excel の数式の概要-Excel の数式にセル参照を使用する」)
セル参照の並びは、C2 のように「列を参照する英字」と「行を参照する数字」になりますから、列も行も絶対参照にする場合は、 $C と $2 で $C$2 です。
列 C と 行 2 が交差するセルを絶対参照する指定です。
「$ で挟んでいるから――」と考える人がいました。
$C$ というイメージをしたのでしょうね。そう考えては、セル参照はどういうものかがわからなくなります。
「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の欄を編集するには。
F2 キーを使います。
冒頭の手順4. で「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の欄内にカーソルがあるときに矢印キーを押してしまうと、わけのわからない表示になる場合があります。
たとえば、=$C$2="合格" と入力してしまってから、$2 になっていることを気付いて、2 の左側の $ だけを消したくて矢印キーでカーソルを $ の前に動かそうとすると、=$C$2="合格"+$A$2 となったり……。
エクセルのステータスバーを見てください。シートより左下のスミのあたりです。 「参照」とか「入力」となっているはずです。(通常では「準備完了」)
ここが「入力」となっているときに、「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の欄のなかでカーソルを動かそうとすると、さきほどのようなわけのわからない表示になります。
この欄を編集したいときは、カーソルが欄内にある状態で F2 キーを押します。
ステータスバーに「編集」が表示されるまで F2 キーを押していってください。
「編集」が表示されれば、左右の矢印キーを使って、欄内で自由にカーソルを動かすことができます。
これは「編集モード」と呼ばれる状態です。
話は少し変わりますが、編集モード( F2 キーでステイタスバーに「編集」を表示)は、条件付き書式以外にも役に立ちます。
たとえば、「データの入力規則」を使って、セルに入れる値をリスト表示させているとき。
リスト表示させる値を「元の値」の欄に直に入力していて、リストの値を編集しようとして欄をクリック後に矢印キーを押すと、ここでもわけのわからないセル参照が入ってしまいます。
そういうときも、「元の値」の欄をクリックしてから、F2 キーを押して、編集モードにすれば、リストの元の値を自由に書き換えることができます。
あるいは、セルやセル範囲に名前を付ける際に、参照範囲を編集するのにも使えます。
ほかにも、セルの数式を書き換える際にも F2 キーを押すとセルが編集モードになります。
(セルをダブルクリックするのと同じです。)
Windows 上でファイル名やフォルダ名を変えたいときにも使えますよ。
話を元へ戻します。
条件付き書式の数式を編集する際には、「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の欄をクリックしてカーソルを置いたら、F2 キーを押してステータスバーに「編集」と表示されるようにする――これを忘れなければ、変なセル参照が表示されて困惑することはなくなります。
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