バッテリー上がりぐらい助けてあげたいよ。
時間は夜の7時ごろ。某所で用を済ませて外へ出ると、出会った光景。
その男性は自動車のバッテリーが上がってしまったらしくて、そばを通った男性に声をかけて充電させてほしい旨を伝えていた。
ところが、声をかけられた方は、それを拒否。
すぐ隣で路上駐車してあった自動車に乗り込んで行ってしまった。
いやいや。特に急いでいた風でもなかったけど、バッテリーが上がってしまって困っている人を見捨てなくてもいいだろうに。
なんかの理由があって、声をかけてきた人のことを気に入らなかったのかもしれないけど。
あるいは、他の自動車も人も通りが少ない夜の路上で自動車を充電させてほしいと知らない人から声をかけられて、ハイハイと了承するほうがおかしいのかもしれない。
今どき、何をされるかわからないしね。「いいですよ」と背中を向けたら、いきなり刺されたとかあってもおかしくない。
とはいえ、どう見ても困っている様子だし、ブースターケーブルを持ったまま泣きそうな顔をしていたしで――かわいそうなので「大丈夫ですか」と声をかけたら、当然充電させてほしいと頼まれた。
もとよりそのつもりだったので、道路の反対側に路上駐車してあった自分の自動車を移動させてきた。
乗用車がすれ違いできるほどの道幅はあったけど、気持ち狭い道だし、ボンネット同士を向き合わせにしないといけないので、あちらの自動車の正面に止めるのに少々手間取った。
「ああ、さっき行っちゃった人は、これがやりたくなかったのかも……」と、思いついたけど、それにしてもだ――困っている人が目の前にいるのだし、もう少し対応というものがあったろうにとも思った。
嘘でもいいから「ごめんなさい。運転が得意じゃなくて。この道幅で向きを変えるのは自信ないです」とか言えば、バッテリー上がりを起こしていたほうも、「いえいえ。そんな。急に呼び止めてすみません」ぐらいの気持ちになれたろうに。
充電は無事終わり、特にトラブルはなく、その人は嬉しそうな表情でお礼を言ってくれて去っていった。
とはいえ、さっきもふれたように、知らない人から夜道で充電を頼まれてすんなり受けるのは危ないといえば危ない。
結果オーライではあったけれど、ひょっとしたら不用心なことをしてしまったのかもしれないという気持ちも少しある。
最近なかなか見かけることのない「バッテリー上がり」――夜に知らない人から頼まれた充電をすんなり了承してよいものかどうか。
こんなことが気になるなんて、なんて世の中だ。
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