Kindle本の仕様でKindle本が読めないという話
2012年モデル Kindle Paperwhite を使っている。
手に入れてから有料・無料の80冊近い Kindle本をダウンロードしてきた。
今まで何の問題もなく楽しんできたのだけれど、最近立て続けにちょいとやっかいな本に出会った。
1つは、書籍の中で示されている図表が小さくて読めないもの。
Kindle Paperwhite では図を長押しすると拡大できるが、それをしても何が書いてあるか読めないという状態。
Amazon にメールでその旨を問い合わせたら、あちらでも図が判読できないことを確認してくれて返金に応じるという。あるいは、返金しないでおくと、図が正常に判読できるデータに将来的になったときにそれが配信されるという。
どちらにしますか? というわけ。
どうしても図を見ないと楽しめない本ではなかったので、こちらはそのままにしておいた。いつになったら図を判読できるようにはなるのかはわからない。……
もう1つは、なんと本の文字を拡大できないもの。
Kindle Paperwhite を使っている人ならわかるだろうけど、上部のメニューを表示して文字を拡大しようとしても、そこんところのボタンがグレーアウトしてそもそも機能しない。
そのうえ標準の文字が小さくて読みづらいときている。
なんじゃこりゃ! と憤っていても仕方がないので、Amazon のカスタマーサービスに連絡。今度は初めてやってみるかと思い立って、チャットを試してみた。
チャットの担当者の手元で今回も本を確認してくれた。結果――どうやらこの本は、ページがまるまる画像になっているらしい。
「固定レイアウト」ってやつだ。ほんとど文字のビジネス書なのに。……
なもんでページの上で長押しすると画像としての拡大はできるけど、そんな状態で読めたもんじゃない。
紙のページの一部を虫眼鏡で拡大して、それごしにしか読めないと思ってくださいな。いらいらするでしょ?
調べてみたら紙の本が先に世に出ていた。それを電子書籍化したときに Kindle Paperwhite で読むという環境は考慮から外れたのか?
うっかりなのか、わざとそうしたのかは知らないけれど。
カスタマーサービスの方が言うに、コンテンツによってはフォントサイズが変更できないフォーマットの Kindle コンテンツがあり、それが仕様となっているのだとか。
最初から Kindle Paperwhite では文字の拡大ができないものも売ってるから了承しておいてね、というわけだ。
そりゃそうだろうね。ファッション誌なんて Kindle Paperwhite で文字の拡大ができるように作っちゃったら意味ないし。
俺も大人だ。「そういう本も売ってます」事情は理解できる。
ということで、読みづらい本を持っていても仕方がないので返金してもらうことにした。
(あとで紙の本を買うのだ。)
後学のために尋ねてみたところ、Kindle本を買う前に、 Kindle Paperwhite で文字を拡大できる本なのか、今回のようなできない作りの本なのかを確認するというのは Amazon のサイト上ではできないとのこと。
ただし著者名やタイトルなんかで「この本」と指定できれば、それをカスタマーセンターに問い合わせて、 Kindle Paperwhite で文字を拡大できるかどうかを確認はしてくれるとのこと。
それはそれで素晴らしいと思うけど。……せっかくクリック一発で本を買えるのに、いちいち「これこれの本は文字が拡大できますか」と問い合わせてから買うのもねぇ。
理想を言うなら、サイト上で購入前にそれがわかればいい。でも、先の本でもこの本でも Amazon が本を作って出版しているわけではないのでそれは無理だろうな。
というか、本を作っているというか出版しているというかの人たちが Kindle Paperwhite を考慮に入れてよね。
もっとも、さっきも言ったけどこちらも大人だ。いろんな事情は理解できるからそれができないというなら無理は言わない。
なんだかんだいってもしょせん Kindle Paperwhite は「文字読みマシーン」だ。そんな文字読み機への対応を捨てたからこそ得られる表現力、たどり着ける地平というものもあるだろうし。
だったらせめて、「本書は Kindle Paperwhite では文字の拡大はできません」とかなんとか「商品の説明」あたりにはっきりと書いておいてよね。
この本のテーマが「ユーザーオリエンテッド」なのはなんかのネタだってことになっちゃわないように。
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