大人を馬鹿にしてはいけないよ。
BSプレミアムで放送されていた『ゴジラ』(1984年)を見た。
子どものヒーロー怪獣になっていた旧シリーズとは違い、完全な人類の脅威としてのゴジラを再び描き、聞くところによると、「大人の鑑賞に堪えうるゴジラ」として作られたらしい。
そう聞いて見てみたけど――なんじゃそりゃ!? と笑わずにはいられないところがあってあきれてしまった。
30年前の作品だ。特殊撮影のなんともいえないばれ具合とかそれはまぁ仕方がない。当時の最高技術だったのかもしれないしね。
そんな年月の差を考慮に入れてもアレの登場はないだろう……『首都防衛戦闘機 スーパーX』ってさぁ。
どういうネーミングセンスなんだ? 名前だけじゃない。機体のデザイン――失敗したダイオウグソクムシといった感じ――といい、子供だましもいいところだ。
あんなものを出して、よくもまぁ、「大人の鑑賞に堪えうるゴジラ」などと言ったものだ。ほんとうに言ってたのか? 僕の聞き間違いかもしれん。
スーパーX――コントに出てくる正義のヒーローみたいだし。
お笑いコンビのモンスターエンジンとかがそういう設定のコントをやりそうだぞ。
「トォッー! 正義の味方 "スーパーX" が来たからにもうお前たちの好きにはさせん!」とかなんとか言いながら。
あんまり大人を馬鹿にしちゃいけないよと、手遅れだけど言いたくなる。
でも、映画としては当時ヒットしたらしい。子どものころに胸を熱くしてゴジラを見ていた少年少女たちが見に行ったんだろうなぁ。
でもって、ちゃんとした大人としての気づかいで、"スーパーX" のことはあんまり言わなかったんだろうねぇ。
ばればれのカツラを見ても、それにはふれないみたいな……
なんかアレを出さないわけにはいけない "大人の事情" ってものがあったのかもねぇ。
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