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オレは違う!

岡山県倉敷市で小5の女の子が行方不明になっていた事件――無事に保護されてよかったねぇ。ほんとに。

そういう事件が起こったばかりというのもあったのだろうけど、某所のエレベーター内でちょいと気まずい目に遭った。

僕が仕事で訪れようとしていた先は8階。
1階でエレベーター前に来たときに、その小学生らしい女の子はもうそこにいて、エレベーターのボタンを押していたわけ。

でもって、エレベータが1階について乗り込んだときは、少しあとでやって来た40代ぐらいかなって感じの女性もいた。

エレベータのなかで女の子は5階のボタンを押し、僕は8階を、その女性は7階を押した。

当然いちばん先に降りるのはその子だ。5階に着いて扉が開いたとき、その子はエレベーターの外へ出ようとしたのだけど、なんか変だ。

よく見ると、フロアーが暗い。

一瞬何が起こったのかよくわからないで戸惑う様子の女の子。どうやら、そのフロアーは借り手がいなくて暗いままだったようだ。

女の子は自分がどうもなんかミスをしたと気づいた感じと、僕と女性を待たせては悪いと思った感じを漂わせながら、エレベーター内に戻って「閉じる」ボタンを押した。

動き出すエレベーター。次に止まるのは、女性が押した7階だ。

この子になんか声をかけてあげたほうがいいかな? っと僕がちょっと迷っていると、その女性が「○○ちゃん? どこへ行くの?」って声をかけた。
女性は、女の子の知り合いだったようだ。女の子も思わぬところで思わぬ人に出会ったという驚いた表情ながらも、にっこり笑って返事して、「□□です」と行き先を応える。

二人の会話によると、その子はそのビルに入っている学習塾に来たらしい。

「それだったら4階ね」とその女性。「エレベーターはこのまま上がるから、そしたらそのまま4階に降りたらいいよ」と女の子に教えている。

そうこうしているうちに7階についたので、女の子に向かって「4階ね。4階のボタンを押せばいいから」と言いながら降りようとする女性。

女性との会話を続けるためにしばらく「開く」ボタンを押し続けている女の子。

"このまま8階について、もし、まだ迷っているようなら今度は僕がこの子に声をかけてあげよう" とか考えながら、特に二人を見るともなくいたら、その女性が "ちらっ" と僕のほうを見た――「なんとはなくふと」という感じではなくて、明らかに僕を判別するような視線の "ちらっ" だったので気づいてしまったのだけど――

「じゃあ、付いてってあげようか。ねっ。それがいいね。おばさん、付いてってあげる」って。

オレは違う!

次に着いた8階で、女性と女の子を残して降りた僕。
じゃぁ、って何がさ? なんか傷ついちゃったなぁ。まぁこんな時だし仕方ないんだろうけどねぇ……なんか、とほほって感じだよ。

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