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アメリカの Bang ! と逮捕と、日本のドカ~ン!と逮捕

ここ何日か、NHK BSプレミアムで、『手塚治虫×石ノ森章太郎 TV作品 初回・最終回大集合!』という番組をやっている。面白そうなのでときどき録画して見る。
この前は、ここで『ビッグX』という漫画について書いたけど、今回見たのは手塚治虫の『リボンの騎士』という漫画。

最後は悪役が潰れてきた城の下敷きになって、ハッピーエンド。
こういう終わり方なのねと見ながら、ふと感じたことがある。それは、アメリカの漫画の終わり方との違い。

昔、スーパーマンの漫画を見たことがある。そこでは、悪いやつがスーパーマンに捕まって刑務所に連れていかれるという終わり方だった。もちろん、脱獄するんだけどまた刑務所に逆戻りになる。

子どもが見る古い漫画で主人公は悪い奴の命を奪わないのがアメリカだ。殴ったりして懲らしめることはあっても。事故で悪いやつが命を落とすって終わり方もしない。
アメリカの子供漫画の場合、悪い奴は正義の味方に捕まって、刑務所行きなのだ。(最近は違うだろうけど)

で、日本ではというと、こちらも最近は違うだろうけど、昔の子供漫画では悪い奴はたいてい最後に命を落とす。改心する奴もいるけど、それでも亡くなったりする。
たいていは、正義の味方が放つ「なんとか光線」とか「なんとかパンチ」だとか「なんとかキック」、「なんとかアタック」や「なんとかソード」なんて技を受けてドカ~ンって爆発するのがパターンだ。

つまり、悪い奴は正義の味方に命を奪われて終わるのが日本だ。あるいは、もう勝てないと知って自爆するというパターンもあるけど。
そこまでの過程はどうであれ、最後は「爆死」というのが、日本の子供が見る古い漫画(実写もそのパターンが多い気がするけど)のお決まりじゃないかなぁ。
もちろん、「爆発」へもっていくまでには子供たちのなかで、「よーし、やったぁ。どうだまいったかぁ」って感じでカタルシスというか、盛り上げる感情移入が起こるように作ってあるのだけれども。

これが、大人が見るようなドラマや映画だと事情が変わってくるんだよなぁ。

アメリカのドラマや映画(ようは実写)では、最後は銃で Bang ! ってやっちゃうパターンがよくある。犯罪者と銃撃戦になってとかでね。
映画なんかでも、悪い奴は主人公にやっつけられるというパターンが多い。「地獄へ行きやがれ!」なんてセリフとともに主人公はなにかしらのやり方で悪い奴の命を奪うのがアメリカのありがちなパターンじゃないかなぁ。
公権力ではなく、一般市民がそれをやっちゃうパターンだってある。もっともそういう描き方をするときには、日本の子供漫画と同じで、見ているほうが主人公の復讐心や怒りに感情移入できるように作ってある。

でっ。日本のドラマや映画では悪い奴は基本的に逮捕だ。自爆というパターンもあまりない。一般市民が悪い奴の命を奪ってハッピーエンドなんてパターンもまぁ無い。

子供が見る漫画で、日本では悪い奴は正義の味方に命を奪われ、アメリカでは逮捕される。
大人が見るものでは、日本では逮捕され、アメリカでは命を奪われる。

単純に分けることはできないけど、こういうパターンが多いような気がする。この違いはどこからくるんだろう?

銃の所有と使用が認められる場合がある国と、そうではない国の違いからくるのか?
でも、古い子供漫画で悪い奴を逮捕して命を奪わないって表現をしてるってことは、どこかで多くの人が「互いに銃で打つって起きないほうがいいよね。こんなの知らないまま大人になってほしいよなぁ」って昔からずっと思ってたからじゃないのかなぁ。

(日本のことはわざと横においてみました的表現にしてみました。だって、アメリカと日本を対比して視点の偏りなく同等に扱って書ける技術がないんだもの。でも書きたかったんだもの。)

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