女性が痴漢に遭ったんだからさ。それぐらいのことは言うでしょうよ。
痴漢にあった佐藤江梨子さんが、2013年2月21日付の東京新聞のリレーコラム「言いたい放談」で「女性専用歩道を作ってほしい」というようなことを書いたら、ネット上で物議をかもしているという話。
反対でも賛成でも、議論や非難する話ではないだろうに。
彼女のオフィシャルブログに、新聞掲載のものと同じ内容が載っています。
東京新聞『ダメ!絶対!痴漢!』(2013年02月27日)
そもそも記事の結論は、逃げる痴漢を捕まえたと思ったら人違いで大変失礼をしてしまいましたという反省話だし、そのことを踏まえて「女性専用歩道ってあってもいいと思うんだけど、どう?」といった調子で投げかけて締めて、気軽に読めるコラムらしくしてみましたといった書きぶりだし。
内容に対してああだこうだ言うのは、大げさに反応しすぎじゃないかと僕は思うなぁ。
投げかけてきたのだから応えたのだ、という言い分は揚げ足取りってもんだ。そもそもが「言いたい放談」なんだからさ。言いたいことを遠慮しないで話すのが放談なんだしね。
議論や非難の的にするもんじゃないと思うんだよなぁ。文責を重要視すべきものじゃないだろうに。
それに、「私的には」とことわって、さらに「時間を決めて」という言葉も添えてある。憤慨しているなかでも、そういった抑制をきかした判断や、自分とは違う考え方への配慮がみえるし、感情に任せて書きなぐらず、書き手としてそれなりの質の読み物にしようとした落ち着きが感じられて僕は好感がもてる。そうした言葉を添えての「女性専用歩道を作ってほしい」という主張は、決して男性軽視でもなければ、利己的なものでもないと僕は思います。
少なくても、「女性専用歩道を作れ」と彼女が単純に主張したように伝えられるのはおかしい。
彼女の主張は、痴漢の被害にあった女性としての困惑や恐れや、怒りや悔しさや悲しさなどの感情からのものであって、あの記事に対して他人が示すべきは、非難でも賛成でもなく「女性専用歩道を主張したくなるぐらいにショックだったんですね。大丈夫でしたか。怖かったですね。ケガはなかったですか」といったようないたわりの一言だと思うんだけどなぁ。
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