放射性ヨウ素の量で不安をつのらせないために。
水やミルクのなかの I-131 (放射性ヨウ素) の濃度について、WHO が出しているという資料を知り合いの方からいただきました。
Twitter でも広がっているようです。
それによると、長期にわたって水やミルクを飲まない方がよいとする日本の基準は、IAEA (International Atomic Energy Agency : 国際原子力機関) が定める同様の基準の10倍厳しいものだそうです。
日本の基準は緊急時(それしか飲むものがなくかつ短期間の使用に限る)を想定した値だそうで、今の日本は全国的にそんな状態に陥っているわけではありません。
なもんで、その方は、日本では国際基準より10倍厳しい基準で測っているわけなので、慌てないでねと気にかけて教えてくれたしだい。
僕もそんなに気にするものではないと思っています。
とはいえ、「日本の基準は国際基準よりも10倍厳しいから不安にならないで」と言われても、大事な家族のこととなれば気にせずにはいられないのが人の心というものです。
それでも、とにかく摂取しないように気をつけていつでも何に対しても注意し続けなければならないというほどの話ではないとわずかでも思えたら、ちょっとは気が楽になるのではないでしょうか。
僕がもらった WHO の資料は以下の場所に。
http://www.wpro.who.int/media_centre/jpn_earthquake/sitrep.htm
Sitrep 13 - 22 March 2011 というリンクがそれです。
JapanEarthquakeSituationReportNo1322March2011.pdf というファイルの13ページ目。
サイトのトップページからたどるなら、Media centre ≫ Japan earthquake と進んで、Situation reports を開きます。
上記の WHO の資料では、IAEA の基準値にリンクを貼ってふれています。
その資料によると、放射性ヨウ素の濃度に関する IAEA の基準は 3,000 Bq/kg(ベクレル毎キログラム)です。
これに対して、日本の基準は 300 Bq/kg ――日本の基準値は国際基準より1桁低いというわけです。
これを勘違いして、「国際基準より一桁低い日本の基準はとても緩い」と解釈している人を見かけました。その解釈は間違っています。
たとえば、基準値を超えたらそれを知らせるブザーが鳴る機械があるとします。
その機械で測定すると、国際基準では、3,000 Bq/kg を超えるまでブザーが鳴りませんが、日本の基準では、300 Bq/kg を超えたらブザーがなります。
日本の基準で測った方が早くブザーが鳴り出す――基準値が一桁低いということは、10倍厳しいという意味です。
IAEAのサイトで上記の資料を見つけるには、
http://www.iaea.org/index.html
から Pub1467 を検索すると、
[PDF] Advance Advanc Copy ? Subject to Final Proof Proof Correction
というものが見つかります。Pub1467_web.pdf というファイルです。43ページ目の表に基準値が書いてあります。
OIL6 という呼称が、「IAEAの基準」のようです。
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