実在する。歩きながら化粧をする女性
先日、仕事で都内へ出向いた際のこと。
僕が新幹線から山手線へ移動中。何線だったかのホームからエスカレーターで上がってきた女性が、僕の右から視界に入ってきた。
その女性は右手にコンパクトミラー、左手には小さなブラシを持って、エスカレーターで昇ってきながら瞳のお化粧をしていた。
電車のなかで化粧をする女性は見たことはあるけど、エスカレーターに乗りながら化粧をしている人は初めて見ました。
たぶん、彼女はホームを歩いているときも化粧をしていたんだろうな。だって、エスカレーターから降りた彼女はそのまま僕と同じ方向へ歩き出して、その間もミラーをのぞきながら瞳の周りでブラシを動かしているんだもの。
「おぉ、化粧しながら歩くか――」と心の中で驚く僕。
電車のなかで化粧をする女性を迷惑に感じたことは僕はないし、彼女を迷惑に感じたわけでもない。ただ、その彼女は不特定多数の他人が行き交う場所で化粧をするのに抵抗がないんだと驚いた。
(妻だって、化粧をする姿を僕には見ないで欲しがるし。)
電車内ではちょっと混んでたりすると、たとえば、車両の端の方にいる人から真ん中あたりに座っている人が何をしているかなんて見えない。
そういうのもあって "限られた空間っぽさ" というか、周囲が他人でも "そんなにたくさんからは見られてないから、まぁいいよね" 感というかをもちやすいだろうから、そこで化粧をする人がいるのはなんとなく理解できる。
でも、朝の通勤時間帯に別のホームへ渡る通路を移動しながらだと、いろんな人の視界に入るだろうから、恥ずかしさという点では車両内より上なんじゃないのか?
彼女にとってはそうじゃないってことなんだろうけどさ。そこは、"そう" であって欲しいわけさ。男心としては。いやまぁ、僕の男心がどうかなんて彼女には全く関係ないってことはわかってるよ。でもさぁ、歩きながらしなくても……
だんだんと人混みが増えてきて、そのまま歩くのは危ないと判断したのか、彼女は化粧を中断。でも、右手のミラーと左手のブラシは持ったまま。
僕の前を山手線のホームに降りていく彼女。
彼女から目が離せなくて見ていたら、着いた電車に人が乗り込んだ分で人混みが少し減ったホームを、彼女は瞳の化粧を再開しながら歩いていきました。
いやぁ、世の中にはいろんな人がいるもんだ。化粧しながら進む人を初めて見たよ。場所は朝の山手線ホームだ。
電車のなかで化粧をする女性がいるから、歩きながら化粧をする女性がいても不思議はないといえばそうだけどねぇ……
彼女の化粧はどこで完成したのかなぁ。そこまで見届けられなかったことがちょっと残念。
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