「ちぢれ麺だからスープが絡む」は勘違い。
録画してあった『アインシュタインの眼』(NHK)を週末に楽しむ。
自分が知らない発見があって面白かった。
それは、「まっすぐな細麺と太ちぢれ麺では、スープがより絡むのはまっすぐな細麺」という話。
これまで自分が思っていたのとは逆の結果。
取材協力をしていたラーメン店は湯島にある「大喜」というお店。
お店定番の醤油ラーメンに、まっすぐな細麺と太ちぢれ麺を入れる。通常は醤油ラーメンにはまっすぐな細麺が入るのを、番組のために特別に太ちぢれ麺でも作ってもらったのだとか。
食べる様子をハイスピードカメラで撮影して口元をアップにすると、まっすぐな細麺の方が明らかに絡まって運ばれるスープの量が多い。
番組ではおよそ一口分、50グラムの麺をスープから持ち上げて重さも量っていた。それを三回。
その結果は次のよう
1回目の麺に絡まったスープの重さは、まっすぐな細麺で19グラム、太ちぢれ麺では15グラム。2回目は前者が15グラムで後者が11グラム。3回目では17グラムと12グラム。
同じ50グラムの麺で、いずれの回も、まっすぐな細麺の方がよりスープが絡んでいる。
その違いを生んだのが、それだからこそよりスープが絡みそうに見える "ちぢれ"――麺の曲がり。
太ちぢれ麺は曲がっているので、麺同士が密着しない。麺を持ち上げるとスープが流れ落ちやすい。
まっすぐな細麺は曲がりがないので密着して束になる。その状態で、個々の麺の隙間でスープが幕を張る。張られた幕は、ちぢれ麺ほども簡単には垂れ落ちない。つまり "絡まる"。そのため、まっすぐな細麺はよりたくさんのスープを持ち上げることになる。
いやぁ面白い実験結果だったなぁ。僕は、ちぢれ麺だからよりスープが絡まるってずっと思ってた。
でも、太ちぢれ麺にはスープが絡まないというわけではない。
とろみのあるスープなら太ちぢれ麺でもスープは落ちずに絡む。「大喜」のご主人は複数のお店を経営していて、別のお店では太ちぢれ麺には少しとろみのあるスープを合わせていた。
「ちぢれ麺はよくスープに絡まる」のではなく、「ちぢれ麺でもよく絡むスープがある」というわけなのね。
勉強になりました。
望まれてもないのに、「ちぢれ麺だからスープが絡むんだよねぇ」なんてラーメンうんちくを語っちゃう人は、これからはご注意を。
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