録画してあった『ネオ・ビジュアル系 春爛漫の宴2010 完全版』を見た。自分の好みと、好みでないものを再確認したLiveだった。
出演したのは次の8バンド。(放送順)
・cali≠gari (カリガリ)
・Plastic Tree (プラスティック トゥリー)
・Girugamesh (ギルガメッシュ)
・彩冷える (アヤビエ)
・SID (シド)
・Versailles (ヴェルサイユ)
・Alice Nine (アリス・ナイン)
・Mucc (ムック)
■ cali≠gari (カリガリ)
ちょっと聞いただけでは何を歌っているのかわからない歌詞の紡ぎ方をするこのバンド。
その不思議な歌詞から ALIPROJECT を思い出した。漢字の使い方は、『演劇実験室◎万有引力』主宰のJ.A.シーザーを思わせて僕の好みだなぁ。『絶対運命黙示録』とかみたいで。
この前に書いたときに挙げた「手をくねらせているだけのギターがよくわからん」のはやっぱりこのバンドだった。
もう一度見てもやっぱり意味がわからない演出だ。カッティングの音は格好いいのになぁ――
ファンの人は好きで見に来てくれているから、彼がギターを弾かないときがあってもそれはそれでいいのだろうけど、特にファンでない僕は、ギタリストなんだからギターを弾いてくれよと思ってしまう。
ギタリストがギターを弾かない演出をするなんて、プロフェッショナルとしてはどうなんだ? 僕に言わせれば、お金を払って見に来てくれている人たちを軽く扱っていると思う。
ベースとドラムはタイトでいいなぁ。特にドラムは、スネアとバスの音が重くて僕好み。
ギターがコーラスを入れていたけど、あれはいただけなかった。歌う訓練を積んだ声質じゃない。コーラスを本気で入れるならもっと声を磨いて欲しいなぁ。
ボーカルは、ちょっとわざとらしい歌い方に感じるときもあったけど、声はよく通るので好きだ。「スクールゾーン」という曲のように、繊細な歌詞を大切そうに伝えてくれる曲もやるバンドなんだということがわかって嬉しかった。
■ Plastic Tree (プラスティック トゥリー)
武道館をいっぱいにしたり、それなりに人気があるバンドらしいけど、ボーカルがダメだ。
彼のスタイルについて「浮遊感があるボーカル」なんて記述を見たけど、よく言い過ぎだ。ああいうのは、安定してなくて下手って言うんだ。声量がなく、音程がとにかく悪い。
ファンの人は「ああいう歌い方をしているんだ」と言うだろうけど、特別にファンじゃない僕には関係ない。だとしたらなおさらだ。お金を払ってくれている人の前で、プロフェッショナルがわざと音程のあやふやな歌い方をしたらいかんだろ。
何を言ってるのかよくわからないぺちゃぺちゃした発声での歌い方も僕は好きになれない。
世界観を膨らませるためにキャラクター設定をしているのだと思うのだけど、映画版『デスノート』の L のような、ぼうっとしたキャラクターが何の役に立っているのか僕はよくわからない。
たとえば、芸能人のなかには、ほんとに思っているどうかは別として、「オレって格好いい」「私って可愛い」って自分で思っているんだろうなと感じさせる印象の人がいるけど、そういうのを思い起こしてしまった。
「ほら、僕って雰囲気あるでしょ」というようなあの歌い方を見ていて、設定したキャラクターに自分で酔い過ぎているんじゃないかという気がしてしまった。
ボーカルがほんとにひどすぎる。
バックの音は僕の好み。ドラムはタイトだし、ギターはハードな音と繊細な音をうまく弾き分けていて好きだなぁ。
■ Girugamesh (ギルガメッシュ)
このバンドは僕にはあまり強烈な印象が残らなかった。
ギターの音がハードで僕好み。ドラムの音はちょっと軽くて好みではないかな。
ボーカルの歌い方がちょいとダサい。でも声はよく通っていて、歌詞も聞きやすくていいなと思った。
■彩冷える (アヤビエ)
歌を大事にしているという感じがして好印象なバンド。元気でときにちょっとセンチという感じが、この日の他のバンドにはない世界観で面白い。
ボーカルは滑舌が悪くて、決して上手くない。わざとらしく可愛い子ぶりすぎな印象を感じて好きになれなかった。
ポップでキャッチーな印象の曲を演奏するけど、実はバックメンバーは結構ハードな音を出しているのも面白い。特にドラムは、曲から受ける可愛らしい印象とは違って、パワフルなツーバスだ。ポップな曲の途中で、素速いオカズやツーバスの連打を違和感なく決めてくるセンスは格好いいと思った。
■ SID (シド)
ボーカルが巧いなぁ。この日の出演のなかでは一番の巧さだと思った。声の張りもあって、音程も正確だし。しっかりと歌詞を伝えてくれるからか聞いていて安心感があり、もっと聞いていたいと思ってしまう。
バックとの音量のバランスもよくて、バンドとしてよくまとまっているという印象。さすが、3万人を集めるというバンドは違うなぁ。
「歌姫」という曲でのバスドラの一拍打ちは、昔のディスコみたいでちょっと好きになれない。でも、メロディーはいい曲だ。
■ Versailles (ヴェルサイユ)
僕はこのバンドのメロディーも世界観も好きなんだけど、それにしても、ボーカルの力量が低い。音程が悪すぎだ。細かいノリにも付いていけてない。
歌詞がとても聞きやすい歌い方をするボーカルなのに残念だ。
ギターの音はハードで、フレーズを弾きまくるタイプで僕の好み。ドラムの音は、僕の好みからするとバスもスネアもいまいち軽い。
客席が少し映ったけどぜんぜん受けてなかったなぁ。なんでだろ? 曲の構成がちょっとややこしかったから、ファンでもノリ切れなかったのかも。
■ Alice Nine (アリス・ナイン)
ボーカルの音程が少し怪しい部分があった気がする。声量ももっと欲しいところかな。けど、歌詞がよく聞こえて僕好み。
(歌い方に L'Arc〜en〜Ciel の hyde をちょっと感じたのだけど影響を受けているのかな?)
ベースとドラムの音がタイトで安定している。ギターの音も僕の好み。
ベースがハモってたけど、ボーカルよりいい声してて巧く聞こえたのだけど、どうなんだろう?
■ Mucc (ムック)
バンドが巧い! 彼らが一番巧いと思った。
ドラムの音が好きだ。ギターとベースの音も個性的でいい。
ひょっとしたら、音を聞いただけで彼らだとわかるんじゃないかという気がする。
ボーカルも雰囲気のある声がいいなぁ。格好付けて作ってる雰囲気じゃないという感じがした。
一瞬では歌詞を聞き取りづらい歌い方もするけれど、そのことに嫌みがない。個性のレベルまで昇化されていると言いたい。
もっと聞きたくなる声だ。琴線に触れる声だなぁ。「約束」という曲では泣きそうになってしまった。
僕は「歌を大事にしている」という感じが好きなんだなぁとあらためて思った。
番組の途中で hide がNHKに出演したときの映像が流れたけど、彼の歌い方も僕はダメだ。むにょむにょ、ぺちゃぺちゃしてて何を歌ってるのかよくわからない。
まぁ、彼はもともとギタリストだから、優れた歌唱力を求める方が間違っているのかもしれないけど。
ファンの人からすると気に入らない指摘もしただろうけど、僕の感想だからご勘弁。ごめんね。
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