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何だかなぁ。『オルトロスの犬』

宣伝を見てちょっと期待していたドラマ『オルトロスの犬』。なのに、うっかり大半を見過ごして、見たのはラスト20分ほど。
そのせいかな? なんだかなぁでした。演出というか、脚本というか、気になって仕方がない。

「触れることでどんな傷や病も癒せる力をもった男」が、殺人罪で収監されているのだけど、その部屋の正面が透明の一枚板。
あぁ、またかと思ってしまった。あれじゃ、『羊たちの沈黙』のレクター博士だよ。まったくもう、「異常な連続殺人を犯した殺人犯」を表現するのに、あのやり方をいつまで使うのかなぁ。
米倉涼子さん主演の『交渉人』もそうだったんだよなぁ。簡単でわかりやすいからか。

あとでいろいろ見たら、あの男は、レクター博士みたいな異常な殺人犯じゃないみたいだし。じゃ、なんであんな特殊な牢に入ってるのか? よくわからん。
レクターの場合は、知能指数が恐ろしく高く、さらに食人傾向もある。鉄格子の間から手を出せるというだけでも、それを利用して何を仕掛けてくるかほんとにわからない。全ての行動を見えるようにしておかないと、常人には思いもよらない凶悪な行動にでる恐れがあるというわけで、隙間と死角が無い透明の一枚板で壁を作ってある。そういうことが視る側に納得できるように、ストーリーが作ってあった。
そんな納得性を生む展開が、僕が見ていない部分であったのかな? あって欲しい。

『羊たちの沈黙』の影響力の大きさを称えるべきか、それとも、20年近く前の表現手法を未だに使い続けている演出に文句を言うべきかといえば、僕は後者だと思うぞ。
シャワーを浴びてる最中に襲われて、シャワーカーテンに血しぶきが飛ぶ『サイコ』の演出。あれを、大まじめに今やったらもうパロディーにもならないギャグにしか見えない。それと同じだと思うのだけど。

今後、監禁されたレクター博士もどきの演出をやった番組は、関係者全員を減俸っていうのはどうだろう?

もう一方の「触れるだけで命を奪える力をもった男」は、収監されている男の嘘にほだされて、所長を殺してしまう。
そこへいくまでの葛藤がなさ過ぎ。騙される展開が見え透いたシーンは緊張感の欠片もない。いくら命を助けたい人がいるからってさぁ。相手は犯罪者なんだよ。簡単に騙されすぎでしょ。
(このあたりは、役者さんの演技力にも負うところがあるから、演出だけの問題じゃないよなぁ)

でだ! 所長の命を奪ってからの展開がまったくもって理解できなかったぞ。
「能力」で死んでるから、検死しても他殺だと断定はできないだろうけど、服の上から所長を抑えてたし。逃げ出した男も服に触ったし。2人の指紋が付いてるし。
不審な死体がある。争ったらしい跡がある。死体の衣服には指紋が付いている。牢の鍵は開いてる。厳重に監禁されていた囚人が逃げた。――状況証拠がありまくりだ。簡単には帰してもらえない。どんなに良くても、事情徴収のために任意同行だ。
ああいう展開にしちゃったら、そのときそこにいた「命を奪える男」が脱獄と殺人の共犯で真っ先に疑われないとおかしくなるぞ。あの状況が起きた説明ができないしね。

影で何か悪さをしていたらしい所長のようだったから、内緒で2人を引き合わせていた設定だとしてもだ。誰にも見咎められずに、刑務所を出て行くのは無理だろう。警報が鳴っちゃってるしね。
最終的には証拠不十分で釈放という展開か? それにしても、張り込みの監視はされるだろう。なんたって、普通じゃない監禁のされ方をしていた囚人が逃げた牢の前で刑務所の所長が不審死した事件なんだからさ。
それとも、次週の話しで容疑を晴らしていくのか? 無いだろうなぁ。あれはあのまま何にもストーリー上でふれられずに過ぎていくんだよなぁ。たぶん。
(容疑を捨てきれずに張り込みがつく展開だったら大万歳だ)

「命を奪える男」といっしょに来ていた刑事が、警報で異変に気づて所内を走っていく途中で、階段を過ぎてから戻ってくるまでの時間が空き過ぎだとも思った。あの時間が空くと、なぜ刑事が戻ってきたのかわかりづらい気がした。
階段の踊り場に、衣服を奪われた警備の人間が横たわっていたのだけど――腹でも蹴られたのか、苦しげにうごめいていたじゃないか。いくら急いでいたからって視線の角ででももうちょっと早く気づくだろうに。

まだあるぞ。殺人犯に簡単に逃げられすぎだ。もっと厳重に警備しとけよな! あんな特殊な牢に入れてたのに。並の犯罪者じゃないから、そんな収監の仕方をしてたんじゃないのか!?

奪った制服を着た「殺人犯」は、そのまま悠々と歩いて外へ。苦しんで身をよじってる人から衣服を剥ぎ取っていたはずの割には、展開が早い気がするけど。意識があるから抵抗だってするだろうに。
警報が鳴っているのに、ライトも十分に照らされていないし。警備の人数もやたら少ないし。
それにさぁ。外へ出られる最後の扉になぜ鍵がかかってないんだ!? 蝶番みたいなものが引っかけてあるだけで、いくらなんでも変だぞ!!
特殊な牢に入れなければならない犯罪者を収監している場所なんだろうに。鍵はがっちりかけるだろうが。

鍵を開けるシーンを僕が見逃しただけか? そうであって欲しい。

さらにさらに、追いかけてきた刑事があり得ない。
拳銃を奪われるのはお約束。だけど、そのあと逃げていく犯人を何もせずにみつめるだけってのはどうなんだ? すぐに中に声をかけて人を呼ぶとか、普通ならするよ。

「多くの人の命を救うことができるかもしれない」という幻想に一瞬囚われたと言いたげなシーンはあったけど、それでも簡単すぎる。
逃げ出したのは、特殊な牢に入れなければならない尋常じゃない犯罪者なんだからさ。そんなやつにどうやって他人の命を救わせるんだよ。一瞬できそうと思ったとしても、すぐに過ちに気づくだろう。相手は尋常じゃない犯罪者なんだよ。
何度も言うよ。作り手側がそういう設定で見せたんだからね。

脚本が一話目から崩壊しているぞ。合理的な説明を聞かせて欲しいよ。まったく。
視聴者をなめてるでしょって思ってしまうような、とんでも展開でした。
(この先、2人は実は兄弟だったなんていうベタベタの設定がでてきそうな気がしてきた。)

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TVドラマ『オルトロスの犬』は今晩が最終回だとか。 第1話はちょっと期待して見た [続きを読む]

受信: 2009.09.25 13:22

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