Over The Rainbow――いい話じゃないか。
オズの魔法使いではない。ハードロック好きならもう知っているだろから、詳しくは書かない。でも、言おうと思えばすごく簡単に済ませられる――かつて存在したハードロックバンド Rainbow の元メンバーが中心となって結成されたのが Over The Rainbow。
いわゆる、トリビュートバンドといえるだろうけど、ちょっと違うのは、ギター以外は元メンバーで結成されたということ。
そのギターが、本家 Rainbow のギターだったリッチー・ブラックモアの息子、ユルゲン・ブラックモア (Jürgen Blackmore) だっていうからなんじゃそりゃ? だ。
まったく、オリジナル Rainbow のギタリストの息子がギターを弾くなんて――ほんとにそんなのありか? という感じだ。ボンゾの息子がドラムで Zep を再結成というのとはわけが違うぞ。ボンゾの場合はもう本人がいないんだからさ――
なんて思ってたんだけど、ユルゲンのオフィシャルサイトを見て考えが変わった。
彼のサイトに、"Over The Rainbow" のプロジェクトについての思いが書かれている。今回のプロジェクトについて直接語りたいという書き出しから始まるそのメッセージによると、彼はこのプロジェクトの打診がきてから父とも話しをしたとのこと。
「ローリング・ストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」の1人に選ばれたことがある父は、彼に「そのままやってみろよ」と言ってくれたのだとか。
いい話しじゃないか。
考えてもみて欲しい。貴方の父親が、ある分野で偉大な人として世界的に知られているとしたら。そして、父と同じ職業に貴方もついているとしたら。その父がかつてやっていた大きな仕事を、子供の貴方にやってみないかと依頼があったとしたら――
そりゃ悩むわな。やってみたくもあり、避けたくもありというところか。
父と比較されるのは目に見えてるし、歓迎してくれる人ばかりじゃないということも予測がつく。批判とくれば、そりゃもう行き場がないというくらいボロカスに言われるのに決まっているし。
父親だって当然そこまで考えたはず。父親が「リッチー・ブラックモア」であるが故に、息子がとてつもない中傷にさらされる場合も起こりえるわけだ。それでも、やってみればいいと言ったのだから、親にしかわからない子への深い思いがそこにはあったのだと思う。
"I am not my Father and I “NEVER” can replace him, but i will try to give these Fans one time the chance to see this……"
(Jürgen Blackmore Official Site より引用)
というユルゲンの言葉が全てを語っていると思う。
Jurgen Blackmore オフィシャルサイトは、こちら。http://www.jrblackmore.de/。
ユルゲン以外のメンバーは次のよう。
ボーカル:ジョー・リン・ターナー (Joe Lynn Turner)
キーボード:トニー・カーレイ (Tony Carey)
ドラム:ボブ・ロンディネリ (Bobby Rondinelli)
ベース:グレッグ・スミス (Greg Smith)
ちなみに、ボーカルの彼の名前は、「ジョン・リー・ターナー」じゃないからね。スペルを見てご覧らんね。
今だに間違えてる人がいるし。彼が歌った Rainbow のアルバムから約30年が経ってんだから、覚えてあげようよ。
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