天使を宿らす儀式
古い話ですが、昨年の日経産業新聞での『ニッポンの工場』という特集記事から。
(2006年8月7日付け)
取り上げられていたのは、音楽を志したことがある人なら、知らない人はいない『ヤイリギター』。
ヤイリのギターは、国内外の著名ミュージシャンたちが愛用しています。
ヤイリでは、ギター製作のほとんどの工程を『クラフトマン』と呼ばれる職人さんたちが、手作りで仕上げていくのだそうです。
そのギター作りは、まだ木材のころからすでに始まるのだとか。
仕入れてきた木材は最低でも5年、長い場合は20年の間、自然乾燥させるのだそうです。
乾燥させた木材の削りや塗装が終わったら、最後の工程。
シーニングと呼ばれるそれは、大音量で音楽が流れる部屋にギターを置いて、音楽の響きで振動させて音をギターに馴染ませる作業なのだそうです。
その期間は、10日間。
ヤイリの社長 矢入一男さんは、この作業を指して、「ギターに天使を宿らす」と述べています。
ギター作りにそんな工程があるなんて知りませんでした。
何にでも「寝かせる」という工程があるもんだなと感心したしだい。
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