想いをつなげる
のぶさんのブログ「大きな意味はありません」で知った「ブッククロッシング」。この試みはおもしろそう。
そういえば、昔読んだ作家の夢枕漠さんのインタビューでは、彼はお金がないころに電車のなかに残された雑誌などを拾って読んでいたので、今でも雑誌とかは捨てないで網棚にわざと置いてくるのだというようなことが書かれてありました。
当時の自分のような人がいたら、少しでもその人の役に立つのではないかという思いがあるといった意味のことを話しておられたけど、「他の人が読めるように雑誌を網棚に置いてくる」という行為は、ブッククロシングの考えに通じるものがあると思いました。
自分の想いを何かの形で他の人につなげていきたいという要求をもっている人が世の中にはいるようです。
僕は中学校のころに学校の図書室で借りてきた本のなかに、僕より先にその本を読んだ人が本に対する想いを綴った便せんを挟んであったのに出会ったことがあります。日付が書かれていたので、うちの学校の卒業生が恐らくやったことだと想像できました。
僕はその偶然の出会いにとても興奮して、その行為をすてきに感じました。だから、名前も顔も何も知らないその先輩であろう人物の真似をしたくなりました。
僕は同じように本に対する自分の想いを綴って、先に入っていた便せんといっしょに挟んで返却しました。
本の題名も便せんに書いてあった内容も、自分が何を書いたのかももうぜんぜん記憶にないですが、そういう行為をしたことは忘れません。本に挟んだ僕と名も知らない先輩が綴った便せんがその後にどうなったかも当然ですが知りません。
でももし、あの便せんに他の誰かが出会っていて、想いを伝えるという行為に楽しさを感じてくれていたら嬉しいなと思います。
ブッククロッシングでは、想いを伝えていくことは目的ではありませんが、自分の思い入れがある本が他の誰かに渡っていくのを想像すると何だかわくわくします。そうやって本への想いが伝わっていくんだと言ってしまってよいだろうなという気が僕にはしています。
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コメント
こんにちは。トラックバックありがとうございました。
やっぱり人の手で繋がっていくっていいですよね。(^^)
投稿: のぶ | 2005.07.22 19:46