『ギロチン城』殺人事件
「『ギロチン城』殺人事件」(北山猛邦 講談社ノベルス)を読了。
なんだろ?これ。なんか不思議な雰囲気の作品です。
幕辺ナコ(まくべなこ)と頼科有生(よりしなゆうき)という二人が出てくるのだけど、有生はなぜかナコから「ライカ」と呼ばれているし、ナコの性別もよくわからん。有生はたぶん男性だと思うけど。
彼らは不思議な縁で、いつの時代のどこなんだかわからない場所にある「ギロチン城」と呼ばれる建物にやってくる。そして、そこで起きる密室殺人。
ミステリーかといえばそうだけど、言い切れないなんともいえない不思議な雰囲気がただよっています。ファンタジーというか、ホラーというかといった…
僕はこういうのは嫌いではないけど、すごく面白かったとも思えなかったです。
最後もすっきりしない終わり方だし。
作者はいったい何がしたいんだろう?と正直思ってしまった。
この雰囲気の世界を描いていこうとしているのか、あるいは何かのための習作なのか。よくわからないけど、どうせならこの方向で突き進んで、極め切っちゃって欲しいです。それはそれで個性だろうから。好き嫌いはあるだろうけどね。
昔ながらの、いわゆる探偵小説というか推理小説を思い浮かべているとぜんぜん違います。
なんともいえない妖しげなムードただよう世界で起こった不可思議な事件を楽しめるかどうかは、もう相性としかいいようがない気がします。
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