以下かなり長文です。
Fe-Mail という女性向けサイトで、日替わりで連載されていたコラムが好きだったのですが、3月14日に大幅なサイトのリニューアルがあって、それと同時に無くなってしまったようです。
コラムのページへのリンクも作ってあったのですが、クリックしてもエラーが出るので消してしまいました。(それとも、僕が見つけられないだけでサイトのどこかに残っているかも。)
いつも思うのですが、女性読者をターゲットにしたサイトを見るとなかなか興味深いです。扱われているテーマには定番があって、「コスメ」、「ファッション」、「恋愛」、「健康」、「美容」、「旅」、「ダイエット」、「グルメ」といったところ。
それに、「仕事」が加わったり、あるいは、「日常にちょっとした変化を生じさせるもの」という印象のテーマが加わることもありますね。「ライフスタイル」とかいう名称になっていたりもしますが。
おしゃれなお店の情報や行ってみたいなと感じる海外の紹介があったりすると、男性の僕でも読んでいて楽しいし。
ところでそういうサイトをみていると、疑問を感じるときがあって、なぜこういう複数のテーマを楽しげに扱った「男性をターゲットにしたサイト」が無いのかということ。
あってもなぜか、やたらビジネスチックだったり、いわゆるアダルトだったりする。せいぜいあっても、「大人の男」という風なテーマで、ダンディーさや高級感が漂うファッションや持ち物を紹介するといったところかな。
わからないでもないけど。
「男性」のイメージって、男性である僕が考えても「なるだけ多くの人がどことはなく理想的に感じてあこがれるイメージ」がわからない。
「女性」の場合は、「コスメ」、「ファッション」、「恋愛」、「健康」、「美容」、「旅」、「ダイエット」、「グルメ」、「仕事」とかいう単語を並べると、それだけでも、なんとはなしに「何事にも前向きに打ち込んで、プライベートも仕事も充実して毎日を生き生きと過ごしている」という、「なるだけ多くの人がどことはなく理想的に感じてあこがれるイメージ」を想定することができる。
でも、「男性」の場合、どうもそういうわかりやすく、かつ、前向きでいきいきとしたすがすがしさがあるイメージを思い浮かべづらいです。
なんでだろう? それとも同性についてそんなイメージを浮かべづらいと感じているのは僕だけかな?
「ファッション」、「恋愛」、「健康」、「旅」、「ダイエット」、「グルメ」、「仕事」というテーマは、男性対象に考えても悪くはないテーマなのに、それでも、やっぱり、なぜか女性を対象にした方が僕はイメージしやすい。
そんな個人的疑問についてちょっと哲学してみた。
社会人になって会社勤めをする男性の場合は、そもそも仕事用の制服があったり、私服に近い姿で仕事ができるという人は別として、ほとんどの人が、職場での「ファッション」の選択肢がスーツ以外に存在しなくなる。で、男性のスーツなんて、細かくみれば違うのだろうけど言ってしまえばどれも似たり寄ったりの色と形で、女性のようにいろんな形、色のスーツがあるわけじゃない。当然職場で「ファッション」が話題になることは皆無に近いというのは想像できる。
次に、「恋愛」。
これも、職場で男性の同僚から「恋愛」の相談を受けるなんて男性はあまりいないだろうなと想像できます。反対に、職場の同僚に相談する男性もいないだろうなぁ。
ずっといっしょに仕事をしていて互いに気心を知っているという仲間や先輩・後輩ならそういうこともあるだろうけど。でもまぁ、職場で恋愛相談はそうないよなぁ。
「健康」は、男性の場合、なぜか「肉体の衰え」を想起させる。「高脂血」「尿タンパク」「糖尿」といったイメージかな。で、いまいち前向きなイメージを持ちづらい。
でも、女性だって年齢が大きな要因になることはたくさんあるだろうし、これは僕の偏見でしょう。
「旅」
「旅」もちょっと無理があるなぁ。女性についてのイメージは仲のよい人たちでそろってでかけるというものがあるけど、男性の旅と言った場合にはそういうイメージをもっている人は少ないと思う。
2人あるいはそれ以上でわいわいと楽しく旅をする男性もいるとは思うけど、男性と旅という組み合わせで率先して浮かび上がってくるイメージではないような気がします。
「ダイエット」も男性を対象にしてもおかしくない話題だけど、やっぱり女性を対象にした場合と何かが違うような。女性の場合「見た目の美しさが得られる」というはっきりとしたわかりやすいゴールがあります。
こんな書き方をすると女性蔑視を責められるかもしれないのも覚悟で書くけど、男から見たって「前よりほっそりなった」ということが明らかにわかるのは、印象として好印象がある。同性からだって「最近スマートになったよね」と指摘されて多少の憧れの視線を受けるのは、指摘されている本人も嬉しいだろうし。
でも男性の場合、「見た目に痩せたから」といって何がどうなるものが、女性と比べるとあまり無いような…。
同僚や友人から「ほっそりしたね」と言われるのはそれはそれで本人は嬉しいというのは女性と変わらないだろうけど。
けれど、細くなったということを憧れるようなまなざしを同性から向けられることは男性の場合は無い。うん、絶対とは言わないけど、あまり無いと思う。あったとしても嬉しくない。
あとは、はけなかったスボン(お父さん、いまはね本当は「スボン」も"パンツ"って呼ぶんだよ。)がはけるようになったというぐらいか…な? つまり男性にとって「細くなった」ということで他者から高く評価され、印象としてすがすがしくもあり、それが自分でも嬉しいという状況はあまり多くないような気がします。
「グルメ」は男性誌でもあつかってるけど、これも女性の場合とは少々違うような…うちの妹が読んでいた女性誌とかを見ても、世の中のWebサイトを見ても、女性の場合「食」にも「おしゃれな」という印象が欠かせない気がします。
男性向けの雑誌とかの場合、「おしゃれ感」がなくても、「美味しいお店」というだけで成り立つ特集だったりするのですが、女性向けのものではそうはいかないようです。
それと、「旅」のときのように2人あるいはそれ以上でわいわいと楽しめるという要素も、女性向けWebサイトのテーマとしての「グルメ」には必要なようです。
男だって連れだって美味しいお店にいくことは多々あるのですが、それでもやっぱりどこか違う。女性の場合、美味しい食事と楽しい会話の混ざり具合が、男性の場合より大きいというのが僕の印象。
男性だって美味しく食べながら、親しい友人との会話を楽しむという時間をもつことがありますが、男性の場合は美味しい食事と会話が認識の中では個々に成り立っているという感じがします。そもそも美味しい料理があって、かつ楽しい会話をしているというイメージかな。
一方、女性の場合は、美味しい食事と楽しい会話が相乗効果というか、混ざり合うというかそういう印象があるのですが。
だから、男性の場合、「あのお店の料理はいまいちだったけど、友人と話せてよかった」ということが成り立っても、女性の場合それは成り立ちにくいような印象を僕はもっています。
女性の場合は、「食事がおいしくないと、せっかくの友人との時間も台無し」という印象かな。
こういう風に考えると、どうも"ある程度の年齢の男性"に対するイメージが、「なるだけ多くの人がどことはなく理想的に感じてあこがれるイメージを感じられる男性向けサイト」の成立を難しくしているようです。
女性もマイナスイメージというものが存在するでしょうが、男性がもたれているマイナスイメージの方が、負の力は大きいようです。
だいたい、"男性向けサイト"って言っただけで、もうすでにあまりおおっぴらにできない内容が載ってそうって思いますでしょ?(まったく考えようによっては男性蔑視だよ。)
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