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トリアージ(被災者の選別)

今日(2004年1月17日)の日経新聞「文化」の欄は、元神戸市消防局長の上川庄二郎さんという方。定年退職が2ヶ月半後に控えていた1995年1月17日、阪神淡路大震災が起こったそうです。

記事を読んで、しみじみそうだよなぁと思ったのは災害時の「消化のための水」と「消防車への給油」の確保の難しさ。
当たり前のことなんだけど、言われてみるまで特に意識していませんでした。

地震のせいで、町中の消火栓は壊滅。近隣からいくら応援の消防車が駆けつけてくれても、肝心の水が出ないし、無事に営業しているガソリンスタンドなんてあるはずがない。

そして、消防隊員の心を苦しめたのが「トリアージ(被災者の選別)」の問題。
"選別"というと変に聞こえますが、限られた人数でより多くの人を助けるためには、どうしても救助対象を選ぶしかない。

災害が発生したときには、救助に向かった人たちも苦渋に向き合うことになります。

トリアージというのはもともとは医療用語だそうです。
僕なりに調べたものをまとめると、「傷を負ったり病を訴える複数の人が同時に発生した場合、限られた人数でより多くの人を助けられるように、治療あるいは搬送の優先順位を決定すること」といえるかと思います。

助けを求める人の声が聞こえる、姿も見えている。でも、その人を最初に助けにいくとは限らない。状況によっは、その人は後回しにしていくしかないという場合も多々あるでしょう。
それによって、助けられなかったという苦しみを消防隊員も心に負う結果になるかもしれません。ご家族に救急の現場で勤しんでいる方がおられる場合は、家族の皆さんもその苦しみを共にすることになるでしょう。

困っている人は助けようと言った場合、賛成する人はたくさんいると思いますが、災害の場では、単純な正義心だけでは役に立たないのだと、記事を読んで僕は初めて認識しました。

新潟やスマトラ沖、カリフォルニアの地滑りなど、世界中で災害が発生しています。
いまさらですが、災害に遭われた皆さんと救助に力を注いでいる皆さんには、がんばってくださいとしか僕には言いようがありません。

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