安倍さんだけのせいじゃない
安倍なつみさんの盗作問題。とうとうお仕事も自粛になってしまいました。
他人の作品を自分のもののように発表するのは確かにいけないことです。その点では、どうしようもないです。
ですが、彼女だけが悪い話ではないなという気がします。
詩の盗作があったのは、書籍3冊とのことですが、普通は本を出すときには、編集者が入って誤字や脱字、著作権クリアの有無などをチェックします。
以前、仕事で書籍の出版に関わったことがありますが、そのときには編集者だけでなく、本を書いている側も執筆の前に読んだ参考文献と見比べて、文章や引用について著作権クリアを確認していました。
制作過程でチェックができていれば、わかっていて他人の作品を使おうが、記憶に残っていた作品の部分を書いてしまおうが、見つけて修正すればいいだけです。
けれど、論文や研究発表とは違い、詩などの創作では、先に存在している作品と比較してチェックする作業は難しいだろうしな。本人から「オリジナルです」と言われてしまったら、どうしようもないだろうしね。
それでも、なんとかやりようがなかったのかしら?
人間誰でもうっかりミスというのはあるし。以前見て記憶に残っていたものを自分で考えついたと思ってしまうなんてことは起こりえる話だから。
たとえば、安倍さんが日ごろ読んだり聞いたりしている作品の一覧を作って、それと照らしてチェックするとか。…でも、細かく見比べるなんて無理だよな。
本を出す過程を全て安倍さんが仕切っていたなんてありえないし、デザイナーや印刷所の手配、装丁のデザイン決定、ゲラや版下の確認とかさまざまな過程を掌握していたプロジェクトマネジャーとでも呼ぶべき立場の人もいるはず。
「安倍なつみ 盗作」と新聞などで書かれてしまうと、安倍さんだけが悪いようなイメージになってしまいますが、そうではなく、本の制作に関わった周りの人たちのミスもあるといえるかなと思います。
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