何に勝とうとするのか?
日頃から読んだり、聞いたりしていて何とはなく言おうとするところはわかる気がするけど、気がするというだけで、具体的にはどういうことだと他人から尋ねられたら、僕にはちゃんと説明できません。
「勝負下着」
なぜか、女性が使うことが多い言葉のようです。彼女たちは何と勝負しようとしているんだろう?
言葉で困ったときはまず辞典。
いま僕の手元にあるのは岩波の国語辞典第四版なんですが、「勝負」をひくと、「1.勝ち負け。 2.勝ち負けを決めようと争うこと、また、そういうわざ」とあります。
つまり、「勝ち負けを決めようと争う下着」が「勝負下着」か? じゃ、何に勝とうとして争っているんだ?
もう少し詳細に調べると、「勝つ」は、「1.戦争・試合などで、相手を負かす。 2.心に働く(欲望・誘惑などの)強い力をおさえる。 3.まさる。」とあります。そして「負け」は、「1.まけること。敗北。 2.『お-』値段を安くすること。また、景品」とあります。
何となくわかるような…でもよくわからない。
「相手を負かす下着」? 微妙にかすっているという気もするけど…
「心に働く(欲望・誘惑などの)強い力をおさえる下着」? なんか方向性が間違っているような…
「安くする、景品のような下着」? もう絶望的に意味が違っている気がするし…
辞書が古いせいか? と思い、オンライン辞書でも調べてみました。使ったのは、「Exciteエキサイト辞書:国語辞典」。元になっている辞典は、大辞林 第二版 (三省堂) 。「勝負」は「1.勝つことと負けること。勝ち負け。勝敗。 2.勝ち負けを決めること。 3.ばくち」となっています。
やっぱりなんかよくわからん。
同時に見つけたのが「勝負服」という言葉。
これだ! と思ってみてみたら「競馬で、騎手がレース時に着る上着。 」…中途半端なトリビアになってしまった。
たとえば、今日は大事な契約が取れるかどうかの日に、下着もちょっと値のはるお気に入りのものを身につけるという状況ならわかる。その場合、契約が取れるかどうかという「勝負」に挑もうとして気分を盛り上げているのだから、「勝負下着」は成立する。
男性にも、そういう場合はスーツやシャツだけでなく、下着もおろしたてを身につけて外から見えないところにも気合いをいれて心身共にしゃきっとして挑もうということだってある。
昔の武士だって合戦のときは、真新しいふんどしを締めたらしいし…そうした勝ち負けが明らかになる状況をひかえて、新しい下着を身につけるという行為は自らの精神を高揚させ、戦いに勝ち抜くための糧となる作用があるようです。
でもそんな状況以外で自分の気持ちを盛り上げて、いったい何に勝とうとしてるんだ。勝負下着よ。
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