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抗菌でなくてもいい

会社のトイレがひとつ壊れて、フタを閉めることができません。便座は無事なので使用には問題ありませんが、本来なら閉められるフタが閉まらないというのは気分のよいものではありません。

ところで、今時はもうどんなものにでも抗菌作用がうたわれています。便座だって抗菌便座があります。

個人的には、便座が抗菌であることを望むのは、病的に潔癖すぎないかと疑問を感じています。
僕が子供のころから今日にいたる数十年。おおかたの時間を僕は抗菌ではない便座を使ってきました。でも、それによって何かのトラブルが心身に発生したことはありません。

もちろん、病や高齢などのさまざまな理由で身体の抵抗力が落ちているため、身の回りの物には抗菌作用が必要だという人もいます。

そんな深い理由はない健康な心身の人が、抗菌作用を求めるのはちょっとどうなのよ? という感じです。

個人的には、この国は無駄に清潔さを求めるようになってきたなと感じています。
テレビでは、高性能の顕微鏡で拡大して、「きれいに見えても、こんなに雑菌が…」とかいったコマーシャルをしている商品を普通に見ることができます。

でも、高性能の顕微鏡で拡大しなければ認識できない菌を排除したがるのはいかがなものか。それはやっぱり少々病的な反応だろうと僕は言いたくなります。

それに人体への影響も心配です。

抗菌というからには、身体の表面にいるさまざまな菌も当然影響を受けるでしょう。
人間の身体はひとつのシステムといえます。システムは部分の集合だと考えることができますが、その部分も別の部分の集合からなるシステムです。
人間の身体はすべてつながり関連しあい、完全に区別することはできません。たとえば、静脈と動脈という呼び名は存在しますが、ここからここまでは静脈で、ここからは動脈という厳密な境を誰も指摘することはできません。

そんな人体の表面あるいは口などの内部にいる菌も人体を人体たらしめているシステムの一部だといえます。
その菌を抗菌作用が死滅させているとしたら、身体を構成しているシステムの一部に損傷が起きているといえるのじゃないか、そしてその損傷は人体に何かの負の影響を与えているのではないかと思っています。

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