「キャシャーン」見ました
紀里谷和明さんの初監督作品「キャシャーン」を見てきました。あまり期待しないで見に行ったんだけど、けっこうおもしろかったです。
特にキャシャーン(伊勢谷友介)とブライ(唐沢寿朗)が最初に出会ったときのアクションシーンがかっこいい。
両腰に仕込まれたジェットエンジンの噴射で空中高く飛び上がり、きりもみ状態で敵のどてっぱらをぶち抜くキャシャーン。
ビルの壁を超高速で垂直に駆け上がるキャシャーン。
ただまっすぐに敵の群れのなかを突っ走るだけで高速移動が生む衝撃波によって、周囲の敵をモーゼが割って見せた海原のように吹き飛ばし、かつ切り裂いていくキャシャーン。
飛んでくる大砲の弾を片手でむんずとつかむキャシャーン。
こうしたスピード感あふれるアクションシーンがなかなか秀逸。画面の色の使い方も雰囲気があってすばらしい。
ただ、僕が惹かれたそうしたアクションシーンはそれほど多くないのが残念。もっとキャシャーンの高速移動と細身の身体で苦もなく繰り出すパワーを見たかったです。
それと物語に込められたメッセージが、中盤から後半ではくどく感じられた。メッセージはひとつだし、わかりやすい。でもちょっと直接的かつ頻繁にうったえ過ぎかなという感じです。もう少し方法があったような気がするけど。
ブライたちが誕生することになった出来事もいまひとつよくわからない。それとも、説明があったのかな? 僕は気がつけなかっただけかも…
それから、ブライたちについて最後の方で語られる話しも物語の関連性がよくわからなかったなー。
まぁこのように、正直、いろいろと不満もあるけど、総合的には見てよかったです。
でも! しかし! これだけは言いたいと思った。個人的には誰に対しても何の恨みもないけど、言っておかないと溜まってしまう。精神衛生上すっきりできないので言う!
日本にも「映画俳優」が欲しい。必要だ!
テレビにはめったに出ない。ましてや、バラエティー番組などもってのほか。スクリーンの中や時たまの映画雑誌のインタビューやグラビアでのみ会える俳優。
キャシャーンは、そういう「映画俳優」で固めて欲しかった映画です。
たとえば、キャシャーンの恋人「ルナ」をやっていた女優さん(麻生久美子)を僕は全く知らなかったので、何の先入観もなくルナの恋人を思う気持ちや、戦いを避けたい気持ちなどがとても感じられた。
いい雰囲気がある映画なのに、出てくる俳優さんがテレビでの印象が強く過ぎて僕にはどうも妙なちぐはぐさを感じるときがあった。
せっかくの重いセリフや演技のときに、バラエティー番組やテレビドラマでの役柄の印象が思い起こされてしまう。
特に宮迫さんの役は、本来なら哀れさや切なさを見ている方が感じられるいい役どころだと思うのだけど、そしてまたけっこう演技がうまいとも思うのだけど、どうしてもお笑い番組で彼がよくやっているような「おもしろキャラクター」に見えてしまって、感情移入できない。
基本的には、映画でのみ会える俳優さん…日本では何かと難しいんだろうな。
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コメント
takerattaです。
>日本にも「映画俳優」が欲しい。必要だ!
#これね、ほんとに同感です。
今日あたりの感想は、なんか奥深い作品に出会えたのだなと思いました。
もう一度みたいとすら思うようになりました。
不思議なものです。
投稿: takeratta | 2004.05.06 20:24
takerattaさん、こんにちは。
多分ぼくもレンタルで出たりしたら、もう一度見てしまうような気がします。
DVD、買ってしまうかも?って気もしますし。
投稿: ミッ君 | 2004.05.07 19:07
こんばんわ。
コメントするのは久しぶりです。
キャシャーン、私も見ました。
あの映画は、見る人で評価がずいぶん違って、
面白い映画ですね。
(私は全然ストーリーが把握できなかったタイプです・・・苦笑)
投稿: し~やもん | 2004.05.27 23:45
し~やもんさん、お久です。
確かに「キャシャーン」は、僕もわかりづらいと感じましたね。
ストーリーがピンとこないというか、「そうか、そういう事だったんだ」っていう物語の結末がわかったときの納得感とか爽快感の度合いがちょっと不足しているという感じでした。
でもまぁ、初監督の作品ですからね。あんなものではないかと。
インターネット上でなんだかんだと酷評をされている文章をみかけますが、実際にはけっこうヒットしているみたいだし。紀里谷さん、よかったねいうところかも。
投稿: ミッ君 | 2004.05.28 07:13